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神様へのプレゼント  作者: 鈴月桜
第1章 出逢い
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HOPE

数日後、初めてサークルに出たのだが、新入生が30名前後しかおらず、初日なのにその半分近くが来ていなかった。


先輩の指示で、1年生同士でメンバーを集う。


ハードロックを中心にやりたいバンドが4組結成された。

4組のバンドに入らなかった6名でバンドを組む様に先輩から言われたので、僕は残りのメンバーで構成されるバンドに入る事となった。

大城さんは、他のグループに誘われていたが、全て断ったため残りのメンバーに入った。


大城さんが近づいてきて

「岩崎君、同じメンバーだね」と笑顔で話しかけてきた。

彼女の笑顔を直視出来ず、下を向いて

「うん」と答える。

すると彼女が私に

「他のバンドにも誘われたけど、みんなロックばかりで断っちゃった」


大城さんはロックが好きでは無い事を知った。


「ねえ、バラードやろう?」

またも急に話しかけられたので

「うん」とまた同じ言葉を小さな声で返事を返した。

そして、6名が集まりパートを決める。ギター希望が2名いたが、話し合いで1人がベースに変更となる。

そして決まったパートが

ギター

荒井洋輔あらい ようすけ

ベース

篠里しのざと 流星りゅうせい

ドラム

高崎たかさき 一毅かずき

キーボード

ほし 朱莉あかり

ボーカル

大城おおしろ 理佳りか

サックス

岩崎いわさき しゅん

このバンドを取りまとめてくれたのが、高崎であり、とにかく明るく、皆を和ませる。


必然的にリーダーとなった。

バンド名は、高崎が吸っているhopeに決定した。

未成年で?と思われるかもしれないが、彼は3浪の末、この大学に入ってきた。

今年受験に失敗したら実家のある高知に帰って、父の鉄工所を継ぐ予定だったと聞いた。


時間も経ち、部長が1年生を集合させた。

「文化祭について説明します。毎年、各バンドでLIVEを行う事となっていて、1年生は1曲、2,3年は3曲、4年生は30分演奏する。まだ結成したばかりで何も分からないと思うが、早めに話し合いをするように。」

部長の言葉を聞き、最初のサークルが終わった。

高崎が皆に切り出す。

「飯食べながらミーティングしようぜ」

皆もうなづき、近くの喫茶店に行く事となった。


喫茶店に着くと文化祭の曲について話し合う。今の段階でオリジナルを作るのは難しい、コピーかアレンジかに絞られた。

このバンドに合った構成(楽器)は、限りがあるためアレンジにする事までは、スムーズに決まったのだが、原曲を選定する時に意見が分かれた。


意見が分かれた理由は、それぞれが推薦する曲が歌謡曲ばかりで、皆のジャンルがバラバラだった事が原因だった。

まだ初対面で、手探りの会話だった事も決めきれない要因の一つだった。

大城さんんの友達であるキーボードの星さんが

「じゃあ、学校の授業で習った合唱曲なんか、どう?」

皆が反応する。

高崎「それ面白いね。」

荒井「会場も盛り上がるかもね。アレンジ次第だけど」

高崎「曲は何にする?」

星が話す。

「私、「翼が欲しい」が好きだった。」


僕は中学校の合唱コンクールを思い出す。

何故なら、大城さんの歌を初めて聞いた曲が、中学の合唱コンクールの「翼を下さい」なのだ。


僕は中学校の合唱コンクールの大城さんを思い出していた。


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