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神様へのプレゼント  作者: 鈴月桜
第5章 結婚
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結婚

公園のベンチで別れを告げたのだが、何故か理佳が泣きながら笑い、抱きついてきた。

「ありがとう。私の事を想って、言ってくれたんだよね。」

想定していなかった行動・言葉を聞き戸惑う。

次の言葉が出て来ない。


理佳「3日前、家族で話し合いをして、俊と結婚をすると家族に話した。」

俊「結婚?」

あまりに唐突すぎて、びっくりするばかりである。


理佳「俊が私の事を想って、別れを告げて来たら認めると言ってくれたの。」3日前の父の言葉である。


まだ、頭が整理出来ない。

ほんの何分か前には、別れを告げる事ばかり考えていた。理佳が別れを嫌がっても、押し通そうとまで考えていた。

理佳の話を聞き、大体の内容は分かった。理佳の私に対する愛情がたまらなく嬉しい。ただ、死ぬ身としては、どうなのであろうか。

分からない。

別れを決めた理由を話す事にした。

俊「理佳には、これからも長い人生がある。理佳には、幸せでいて欲しい。生きてる時に別れないと、理佳は俺との恋愛を終わらせる事が出来なくなる」

話の途中で理佳が話出す。

「これからも幸せでいて欲しかったら、答えは一つしかないわ。それに俊との恋愛を終わらせるつもりも無いわ」


頭でここまでの事を整理するが、まとまらない。

ただ、分かっているのは、理佳が私の思っていた以上に愛してくれていた事、この後の事も含めて考えていてくれた事だ。


しばらくして

俊「本当にいいの」

理佳「俊こそ、私でいいの?」

サプライズ・プロポーズを思い出す。

hopeの皆には申し訳無いが、プロポーズを言うのは、今しか無いと思い、理佳に想いを伝える。


「短い夫婦生活になると思いますが、どの夫婦よりも1日1日を大切にして、どの夫婦よりも幸せになれる様にしますので、結婚して下さい。」


理佳の目には、涙が溢れ出す。

この一週間に出る涙とは、明らかに違う涙である。

理佳「よろしくお願いします。幸せな夫婦でいようね。」

私も涙が溢れ出す。理佳を失う絶望感からの開放、そして結婚出来る喜びが入り混ざる。


私達の泣いてる姿を見て、公園で遊んでいた幼児が走って駆け寄って来た。

スカートのポケットからハンカチを取り出し「はい」と言って差し出す。

二人で「ありがとう」と言ってハンカチを取り、涙を拭くまねをして、そのままハンカチを返した。

近くにいた、お母さんであろう人に軽く会釈をした。

理佳「子供可愛いね」

「うん」

子供を抱かせる喜びを味合わせてあげれない事に、罪悪感を感じる。

理佳「子供作ろうか?」

俊「今、結婚が決まったばかりだから、結婚してから考えよう」

とはぐらかす。

さすがに片親で苦労するのが分かっているのに、無責任に子供は作れないと考えた。

理佳「お腹空いたね。」

「うん」

理佳「駅の前のファミレスに行く?」

「うん」

理佳と駅の方向に歩き始めた。

すると前から理佳の母親が歩いてきた。

初対面だった。

「始めまして、岩崎 俊です。」

「始めまして、理佳の母です。もしかして、ご飯食べに行くの?」

理佳「うん」と笑顔で答える。

理佳の母も、今の笑顔で察したのか、「ゆっくり食べておいで」

と言い、帰って行った。

ファミレスに入り昼食を注文する。

「実は、次のhopeの練習の時にサプライズ・プロポーズを予定していたんだ。次の練習の時に朱莉さんも来てもらう事になってたんだ。」

理佳「えっ本当!」

「まさか、こんな事になるとは、夢にも思わなかった。まだhopeのメンバーには、病気の事は誰にも言ってない。」

理佳「ずっと、黙っている事は出来ないから、次の練習の時に皆に言おう。」

「うん」

と下を向く。

理佳「俊!下を向かない!また戻っちゃってるよ。」と笑顔で話す。

「うん」また、下を向きかけて

「俊!」

以前にも同じ事があった。

あの時から二人の恋愛は始まった。

そして今日も、新たな形で恋愛が始まろうとしていた。


食事を終えて店を出る。

これから家に帰り、今後の治療について話し合いを行なう。

そして、結婚の事も伝える事になる。


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