◇6 ダンジョンの話
ダンジョンの魔物について修正しました。
とりあえず二人でギルドに戻ってきた。
初めての狩りでヘトヘトな俺をみて、ラルフが変わりに換金してくれることになった。
ゴブリンについては数が多く、いつでも手を焼いている状態で、常時依頼が出ている
その報告も一緒にしてもらうことになっている。
俺は今休憩用のスペースでぐったりしている。
うん、ラルフはいいやつだな、お調子者だが。
ギルドでは仕留めた動物の換金もしてくれるらしい。
とても便利だ。
今回は銀貨三枚ずつで分けることになっている。
ゴブリンは一匹で大銅貨一枚くらいらしいが、それは仕留めた俺の分にしてもらえた。
ここで俺はふと思った。
今朝魔法を覚えたがスキル表示はどうなっているだろうか。
名前:ギル=セイクリッド
種族:人間
歳:16
加護:なし
スペシャルスキル:【限界突破】【即死回避】
スキル:【炎魔法】【雷魔法】【魔力感知・弱】
ランク:F
パーティ名:無し
パーティランク:F
パーティメンバー:ラルフ
おお、増えてた。
【魔力感知・弱】はおそらく体内の魔力をはっきりと理解したからだろう。
弱ってついてるのはまだ体外の魔力を感じられないからか。
今度練習してみよう。
確認しているとラルフから声をかけられた。換金が終わったらしい。
「おい、ギル。明日はダンジョンに行ってみないか?」
「ダンジョン?」
ラルフが丁寧に説明してくれた。
ダンジョンとはある日突然形成される洞窟のようなものらしい。
中には魔物が湧き、倒して少し経つと、霧になって消える。
討伐報酬やらは消えるまでに取らなければいけない。
また、ドロップアイテムを落とす魔物がいたり、宝箱が設置されていたりと、稼ぎの良い場所らしい。
罠があり、危険な場所であるそうだが、ラルフが行ってみたいといった場所は初心者用のダンジョンで、特に罠もないそうだ。
ダンジョン、いいね。ロマンがある。
「ぜひとも行こう」
「そう来なくっちゃな!明日はダンジョン行き決定だな」
と、ここで俺たちの明日の予定が決定したのだが――
「はぁ……やはりか」
ん?なんかおっさんが話しかけてきた。
背は高く、髪は短く切りそろえ、鼻の下から顎にかけて髭が生えている。
着ている軽装の上からでも筋肉質なのが見て取れるほどごつい。
見覚えが……あ、ギルドに初めて来たときにこっち向いて誰かと話してた人だ。
「おまえら、ダンジョンに潜ったことはあるか?」
「いえ、ありませんが……」
俺が返事を返す。
すると、おっさんは心底あきれたといった顔で言葉をつないだ。
「ダンジョンは冒険者になったばかりのひよっこだけで行くようなところじゃない。最初は一人でもベテランをパーティに入れていくもんだ。いくら初心者用ダンジョンといえども、生きて帰れないぞ」
む、そんな危険なところなのか。
横を向いてラルフの顔を見ると、はじめて知った、というような顔をしていた。
「じゃあおっさんが連れて行ってくれないか?」
ラルフが言う。
まじかよ、このおっさん連れて行くの?迷惑じゃないかな?
まぁ、ここ逃したらダンジョン潜る機会はあまりないからいい案だとは思うけど……。
「ふむ。俺が行けば間違いないだろうが……まぁいいだろう。明日だったか? 俺がみっちりダンジョンに関する知識を叩き込んでやろう」
おお、まじか!こんないかついおっさんがいれば安心だな!
「俺はブラント、大岩のブラントだ。Bランク冒険者をやっている」
うおっ、二つ名とかあんのかよ。恥ずかしくないのか?
感覚が違うのかな?
つかBランクって本物のベテランじゃん。
「オレはラルフ、こっちの黒髪がギルだ」
「ギルです。よろしくお願いします」
あ、そういえばやっぱり俺は黒髪だった。
それ以外の容姿は全く分からないが……
鏡とかはないのか……?
「おう、じゃあ明日の明け方にギルドに来い。日帰りにするのか?」
「そのつもりだ」
「そうか。一応二日分の携帯食を準備しておけ。何があるかわからんからな」
「ああ、わかった」
そう言ってブラントさんは出て行った。