助けたら殴られた
勢いよくドアを開けた。
ドーン!!とデカイ音の後に
「「ぎゃー!!」」と聞こえてきた。
しまった!!興奮して前回と同じ事をしてしまった!?
説教していた二人はしゃがみ込んでいた。
流石に2度目なのでそこまで驚いておらず
「た、橘くん•••!?」
「よっ!!」と声を掛け3人に近づいて歩き出した。
「ごめん!急いで来たから強く開けちゃったわ」
とりあえず話を聞いてない程で話しかけて見た。近づく時に運動用のパンツをチラッとだけ見た。
「あれ?今日は練習相手いるんだったら俺はいらないね。よかったじゃん。これで試合も勝てるんじゃない♪」と言ってみた。
気まずくなったのか立ち上がり便乗してきた。
チョロいな。
「でももう遅いから帰るところよ」と言ってきた。
「もしかして猿渡さんですか?」と言ってみた。
「そうですが••」
「やっぱりそうだと思いました。彼女がいつも猿渡さんの事を尊敬している話をしていたので、練習熱心な方なのでもしや?と思いまして」
と嘘をついてみた。
相手は名前も言っていないのに知っていたのは、パンツの名前をみたからである。
しかし、相手からするとそんな事は知らないはずなので俺の嘘は信憑性が高く聴こえたハズだ。
褒められて嫌な人間などいない。
ましてや嫌な奴ほど効果が高い。長く生きていると知恵がつくものだ。
「やはり出来る方は違う。後輩の面倒もシッカリされている。見習いたいものだ。もう帰られるので残念だがお時間があればご飯でも食べながらもう少しお話しがしたかったです」
チラッと見るとまんざらでもない感じがする。
人生経験が少ないとここまでチョロいのか?
自分で言っている為、帰らない訳には行かなずチラチラみていたので誘うつもりはないが社交辞令で
「お時間ある時にこちらからお誘いさせてもらいます」と言ったら嬉しそうにしていた。
出て行ったらのを確認してから
「大丈夫だった?」
「橘さんて猿渡さんが目当てで私に近づいたんですか?」ん?なんでそうなんの?
「だってそうじゃないですか?知らない人のハズなのに名前とか知ってたし、いい事ばっかり言ってるし。ご飯まで•••」頬を殴られた勢いで転んだ。
泣きながら彼女は走り去っていった際に小さく「さいてい•••」と聞こえてきた。
追いかけようとしたが弱った体では流石にアスリートには叶わない。
体育館に一人残された俺は戸締りをして職員室に向かったのである