宮下の趣味
本日は特に何事もなく、いや!?
何事もなかった事も無いが昼休みの時間。
べっ、弁当忘れた!?
寝坊したから持ってくるの忘れてしまった。
チクショー。ポケットに手を突っ込んでお金を探したら500円玉発見!!
何気なく宮下を見ると白米のみ食ってた!!
戦中の兵隊さんかな?
「お前なんでご飯だけなんだよ?」と声を掛けてみたら「嫁に金を使い過ぎて今月ピンチなんだよ〜」なんだよコイツ、リア充だったのかよ!?俺なんて30年彼女すらできた事ないのに!?羨ましいぜ!!
「写真とかないのか?」
「あるぜ、ほらっ。」とスマホの画面を見せてくれた。なかなか可愛いじゃないか〜他の写真も見せてくれよと頼んだら「しょうがねーなー」と画像のアルバムを開いてくれた。
あれ?この写真全部なんかおかしくないか?
毎回同じ制服で正面画像しかないぞ??
ん?なんでだ?「おい。なんでプライベートぽい写真がないんだよ?」
「そりゃーそうだろ?アイドルだから当たり前じゃん。」え?お前アイドルと付き合ってんの!?
人は見かけによらないなー。確かにそこそこ男前だと思うけど。
「で、デートとかどうしてんの?」
「そらー会場に応援に行くに決まってんじゃん!だから金欠なんだよ。」
「電話で我慢したらいいんじゃないか?」
「何言ってんの番号とか知ってるはず無いじゃん。」でも嫁ってお前言ってたじゃん。と心の中で突っ込んだ。
「アイドルはみんなの嫁だろ?わかってないねーだから嫁の1人もできないだよ。」なんかすんげームカつくわ。
気がついたらお昼休みも終わりかけで焦って買いに行ったら既に終わってお昼休憩の札が。
トホホ、しょうがなくパンの自販機で。
パンの番号を押し間違えたら昨日食ったタクワンパンが出てきた!?
ついてないぜ。腹が減っていたので食ってみるとだんだん美味く感じるだけどなんでだ!!
放課後になりいつも通り図書室で勉強して、気がつくと19時前。
背伸びをして着替えて教室を出ることにした。
体育館に足を運び。ちょうどドアが開いており、
今度は驚かさないようにゆっくり近づき後ろから声を掛けてみた。
「きゃーーーーー!!」
と鼓膜が破れたかと思うくらい叫ばれた。
驚いた俺はとっさに相手の口にタオルを押し当てた時に目が合い。
バランスを崩し倒れてしまった。
驚くことに顔から落ちたのに痛くなかった。
てか柔らかいぞ!?
「橘くん重い」
「はっ!?ごめん。」とすぐに横にどいた。
もう少し楽園に滞在したかった。
「いきなり後ろから声かけるから驚いたじゃないの!!」と頬を膨らませている。僕の女神様はあなたかもしれない。と冗談を考えていた。
「あんまり声が大きかったからとっさにタオルを当てちゃってゴメン。」男らしく謝罪しよう。
「謝ってくれたから許してあげる」一言、一言が可愛いんだよなー。
「とりあえず今日は動いてないからしようぜ。」
と練習を手伝った。
息も上がり時計を見ると21時。「そろそろ終わろうぜ。」と声を掛けてみた。
時計をチラッとみて「そうしようか」と言われ着替えてくるまで外で待っていた。
「お待たせ。」と言われ、そのまま職員室まで鍵を返しに行き。一緒に帰った。
帰り道気になっていた事を聞いてみることにした。
「なんでそんなに練習すんの?」と声に出してみた。
真剣な目で「今年最後の部活で悔いを残したくないからかな」と答えてくれた。
学生っていいなーと思ったが、現実は甘くないんだよと口に出そうになったがグッと飲み込み。
「頑張れ!」とだけ応援した。
元気一杯で「うん!!」と返され。
心の中で惚れてまうやろ!?と叫んだのは秘密である。
昨日別れた場所で別れ。
見えなくなるまで眺めて
さっき飲み込んだ言葉を思い返した。
「自分だけが頑張るんじゃダメなんだよな」
柄にもなく呟いてしまった。
「ただいま」
と家に帰に帰るとドアが開き。
「おかえりー」と声とともに妹が飛び出て抱きついてきた。
家に帰って誰かがいるって幸せだよな。とニヤニヤしていたら「なんだか嬉しそー」と笑われた。
ご飯を食べ、体育館のあの感触を思い出し鼻をヒクヒクさせていたら急に「また女か兄貴」と言われて声のする方向をみたらニヤつく弟と修羅の顔をした妹が立っていた!?
「ちょ、ちょっと待て!!」
「言い訳無用!!」
言い訳もさせてもらえずぶん殴られた。