第参話 黒龍を潰せ!・前編
やっと書きました。前作からかなり間空いちゃいました。すいません(__) 相変わらず読みにくいです。すいません。
ここは、東京湾近くの貨物倉庫。
だが、普通の貨物倉庫ではない。
そこには、暴力団でも上位をいくほどの凶暴性を持つ、
「黒龍団」という組織のアジトと化しているのだ。
暴力団には年齢20〜28歳ぐらいの者が中心だが、その中に一人だけ16歳の少年がいた。
彼の名は稲倉仁。
俊士達と同じ学校に通う高校二年生。学校の中でもかなりの悪で、彼に近づこうとする者はいない。
〜〜稲倉目線〜〜
へへへ、まさかこんな簡単に黒龍団に入れるとはな。全く、最高位の暴力団と聞いて呆れるぜぇ〜。
まあ、ここにいれば平田の馬鹿に文句も言われねぇし、いくらアイツでも大人の暴力団にはかなわねぇだろうからな、安心して暴れられるぜ。
しかしな、最近どうもボスの奴が気に入らなねぇ。
いっそのことアイツをこの俺のMFSで倒してやるぜ。 まぁ、これを手に入れた時はさすがの俺も驚いたがな。なんたって急に空から光が降ってかやがったから、何かと思ったぜ。
最初は何も無い鉄クズだったが、ここに入った瞬間に突然出て来やがって、全く便利何だか不便何だか・・・。
しかも、ここにいる奴ら全員がMFSを持ってるときた。全くめんどくさいったらありゃしねぇぜ。
まぁ、それはいいとして俺はここに入っている内に幹部のリーダーになった。 ここの奴らは案外大したことなかったし、何よりも俺のMFSは最強だからな。
「おい!!坊主!!茶ぁ持ってこいや!!」
「あ〜?はいはい」
この偉そうな髭野郎がこの黒龍団のリーダー、五十嵐龍蛇・・・だせぇ名前だ。
こいつはかなりの実力者らしいのだが、俺の足下にも及ばないだろう。
しかしながら、まだ俺はこいつの持つMFSの黒龍を見たことが無いので、奴がその黒龍とやらを出すまで少し様子見ていうことにしている。
あ〜あ、誰かここにでも攻めこんで来てくれねぇかなぁ・・・そうすれば、奴が黒龍を多分出すんだがなぁ。
それに、少し殺しあいでもしたい気分だしな。
〜〜その頃の俊士〜〜
「あぁ〜重ぇ〜。何であの馬鹿姉は一度にこんなに買い物頼むんだよ〜」
俺は今、姉に頼まれた買い物をしてるのだが、いかんせん量が多い。
まとめていうと大体十五品はある。
まぁ、俺の姉はモデルの仕事をしているからな。
仕方ないと言っては仕方ないのだが出来るだけ帰りにでも買って来て貰いたいほどだ。
とか文句言っても荷物がへるわけでも無いので俺はよろよろの足を進めていっていた。
その時、突然腕に着けているMFSからテーヴァが話しかけてきた。
「重そうですね。ご主人様・・・」
「あぁ、まぁな。ていうかこんな人の多いい所でしゃべって大丈夫なのか?」
「えぇ、私の声はMFSを所持している方にしか聞こえ無いので大丈夫です」
「そうか・・・」
「よかったら、お持ちしましょうか?」
「え!?ありがたいけど、あの姿で出られると困るんだが・・・」
「大丈夫です。私には自分の体を人間の姿と同じに変えて行動する事が出来るので問題無いです」
「そうか、じゃあ頼むよ」
今、思えばここで断ればよかったかな。
何故かって?まぁ、予想出来てる人はわかっているかもしれないがな。
テーヴァは一度、光の塊の状態で出て来た。この状態だと周りの人達には見えて無いようだ。
そしてテーヴァは、人の形を構成し始め、やがて人の形に変化した。
そして、身体にまとっていた光が消えた所に立っていたのは、何とメイド服を着た女性だった。
「・・・マジかよ」
周りからいきなり来る冷たい目、目、目。
面白がって携帯で写真を撮る女子高生。
あぁ・・・親父、ほんと真っ白になっちまいそうだぜ。
「あの、ご主人様。私はこの重そうなの運びますね」
「ん?あぁ、わかった」
そういうとテーヴァは買い物袋を4つ掴んだ。
俺も残りの三つを運びだし、やや速歩きで街を抜けて行った。
途中でテーヴァに
「どうかしましたか?ご主人様」
・・・と聞かれたが、
「何でもないよ」と言い返した。
まともにテーヴァと話せたのは、家の近くの住宅街に来てからだ。
「なぁ、テーヴァ・・・何でメイド服で出てくるんだ?すごいびっくりしたんだが・・・」
「そうだったんですか?私が調べた情報だとこれが普通だったのですが・・・」
一体、どこの情報なんだか・・・まぁ、普段からメイドみたいなテーヴァがこんな格好していても別に違和感はないが、街中ではやめてほしいものだ。
しかし・・・
「?何ですか?ご主人様」
少し可愛いすぎだと思うのだが、テーヴァは一体何をベースに構成したのやら気になるところだ。
そんなことを考えている内に家に着いた。
俺の家は一軒家だが、両親は既に他界しており、今は姉と2人で暮らしている。
先ほども言ったが、姉はモデルの仕事をしているので朝早くから家にいないため、家の家事はほとんど俺がしている。
その為、俺は朝は四時起き、部活は帰宅部だ。
まぁ、今となってはそれに慣れてしまったがな。
そんなことで、俺はテーヴァを戻し、家に入った。 鍵は空いているので、姉は帰っているようだ。
「ただいま〜」
「あら、俊ちゃんお帰りなさい。お買い物ご苦労様」
「今日の夕飯何?」
「今日は、おでんよ。余り物だけどね」
「まぁ、いいや。出来たら呼んでよ」
「わかったわ。」
俺は部屋に入ったら、すぐに布団に飛び乗った。
最近の非日常的な現象にまいってきたからだ。
次、いつ新たな怪獣がでるかわからないと思うと、ため息をつきたくなる。
そんなことを考えていたら前に平田が言ってた言葉を思い出した。
「この力を悪い様に使う者もいるかもしれない」
今のところ、そんなのは出てないが、いないとは限らないわけで・・・
「俊ちゃ〜ん、おでんできたわよ〜」
「あ、わかった。今行く」
ふう、まぁそんなこと気にせずにゆっくりおでんを食うか・・・。
「次のニュースです」
「ん?ニュース見てるの?」
「うん、世間の情報はちゃんとチェックしないとね」
買い物を頼むこと以外については良く出来た姉である。まぁ、俺もここの所ニュースは見てなかったからな、玉にはいいかもしれないな。
「今、入ったニュースです。先ほど、コンビニが暴力集団の黒龍団に襲われ、二人の店員が重症、阻止のため交戦した三人の警官の内一人が重症、二人が死亡しました」
「あらまぁ、酷いわね。俊ちゃんも気を付けてね」
全くだ。一体今の治安はどうなっているのやら・・・
「また、重症の警官によると、
「羽根の生えた化け物を使って襲って来た」と言っており警察では先日までに現れた怪物との因果関係を調査しています」
・・・・・・まさかな。
〜〜翌日〜〜
「いや〜、みんな理解と集合が早くて助かるよ〜」
「今日は私達、全員また部活無かったからね〜。まぁ、佐原君は最初っから無いけど・・・」
「そんなことより、昨日のニュース見たか?」
「あぁ、あの黒龍団がコンビニ襲った、ていう事件か」
「あぁ、そのニュースの中に羽根の生えた化け物が出たっていうだろ。俺はそれは、FMだと思うのだが・・・」
「俺も同感だな。黒龍団は今MFSの力を得ていると考えていいだろう」
「私が考えてたような奴らがいたってことね・・・」
と言って、平田は頭を抱えた。
まぁ、その気持ちはよくわかる。
平田はちゃんとしていないやつ(稲倉とか)でも、いつかは公正してくれると信じるやつなのだ。
だから、裏切られた時には人一倍ショックを受けるのだ。だから、悪いことに使う様な奴らがいると言っときながら、いないとでも思っていたのだろう。
気まずい雰囲気の中、謙太が・・・
「黒龍団のアジトの場所はもう調べてある。東京湾の近くの大型貨物倉庫だが・・・どうする?」
「相手は暴力団、私達の力なんかで倒せるかな・・・」
珍しく神宮寺も自信が無い。だが、そんなこと言ってはられない。相手は今も行動している。ここは俺が自信を湧かさせなければ!
「みんな、何言ってんだ!俺達にはFMがついてるじゃないか!!」
「そうか!そうだよね!私達だって、戦えるよ!」
「でも、私と森次君はまだ覚醒してないし・・・」
「何言ってるんだ!平田!お前には、持ち前の攻撃力があるじゃないか!謙太も場所を特定したり、ちゃんとサポート出来るじゃないか!!」
珍しく、熱くなりすぎたか・・・。俺の思いが二人に伝わればいいんだが・・・。
「確かに、そうだな。FMがいなくても、俺達には出来ることがあるじゃないか。」
「うん・・・そうね、ここで沈んでても何も変わらないじゃない。みんなで行けば恐くないわ!」
「うんうん、みんないい感じだよぉ〜。こういうのが
「友情」っていうんだろうねぇ〜」
「よし、じゃあ明日の夕方の六時に東京湾に集合だ!」
「おぉ〜!!!!」
ふう、どうやら何とか団結した様だ。
じゃあ、俺は作戦は謙太に任せて明日の準備をするか・・・
〜〜翌日の夕方六時〜〜
「・・・全員揃ったな?」
「えぇ、いるわよ」
「よし、謙太。作戦はどうだ?」
謙太はバッグから、ノートパソコンを取出し、画面に、この貨物倉庫の地図を表示した。
「いや、昨日裏口とかを探したんだが、そういうのがどこにもないんだ。だから・・・」
「正面突破しかないと・・・」
「まぁ、そういうことだ」
あぁ、やっぱそういう風になっちまうのか。
めんどくさいが仕方ないか・・・。
ちなみに、警備は二人と以外と手薄だが、見た目だけだと勝てそうにない体格をしている。 というより、20代筋肉質男性に16歳の高校二年生がかなうわけがないのだが・・・普通はな。
「何?私の顔に何かついてる?」
平田は普通じゃないがな。 こいつならいけるかもと何となく思ってしまう。 だが、いくら不良を投げとばすとはいえ、大人二人にはかなわ・・・
「じゃ、私があいつら始末するから、後からついてきてね(笑)」
マジでやる気だしかもかなりご機嫌ななめだ。
こいつは結構ドSなのかもしれない。
そして、平田は入り口に向かって走っていった。
「ん?何だぁ、てめえ?」
「通りすがりの高校生で〜す!」
「姉ちゃん、ここになんの様だ?」
すると、平田は先程までのにっこりした表情から一転して、こう言った。
「ここの団を潰しに来た。そこをどけ、雑魚共!!」
・・・怖い、怖すぎる。とても、委員長とは思えぬ風貌だ。
一体こいつは何なんだ?
「あぁ?てめえ、なめてんじゃねぇぞ!!」
「骨を何本も折っちゃるわ?」
・・・まぁ、この後のことはお約束なので、俺の軽い解説のみにさせていただく。
平田は相手の先制攻撃をひらりとかわし、そいつの顔面に肘鉄、裏拳のコンボで一人を昏倒させ、もう一人は飛び掛かってきたところをすぐにかわし、四の字固めで気絶させた。
この際、メリメリという音がしたので足の骨が折れたのだろう。
そして平田は奥にかけていった。
その後を俺達がついて行き、平田に追い付いたのはかなり広い空間の場所で、天井は学校の体育館や、アストラル位の高さもあり、広さも体育館位だ。
平田の前には大量の羽根の生えた、いわゆるガーゴイルの様なFMを従えているたくさんの黒龍団のメンバー達がたちふさがっていた。 さすがの平田もこの数+ガーゴイル軍団には身を退いている様だ。
「まさか、こんなに多いとはね」
「よ〜し、私のアストラルちゃんでみんな潰しちゃうよ〜」
「待て、神宮寺!ここで巨大なアストラルを出したら倉庫が崩れて俺達も危険だ。ここは、俺とテーヴァに任せて、お前らは先に行け!!」
「わかった、俊士。頼むぞ」
そういうと謙太達は先に進んでった。
「一人で、この人数を相手にするとは馬鹿なやつだな」
「あぁ、馬鹿さ。でもこんな馬鹿な俺でも信じてくれる奴らがいる。俺はそいつらの為に全力で戦う!いくぞ!テーヴァ、シャイニングアップ!!」
「いい心構えだ。ならば安心して死ぬがいい。野郎共やっちまえ!!」
そういうとガーゴイルの大群が一気に俺とテーヴァに襲いかかって来た!
「行くぞテーヴァ!!」
「はい、ご主人様!」
〜〜その頃の謙太達〜〜
「どうやら、ここがリーダーの部屋らしいな」
「こんな所まで守りが手薄だなんて、どんだけ自信があるのかしら・・・」
「ま、少なくとも強敵がいるわけだし、みんな!しまっていこ〜!」
「よし、開けるぞ」
そう言って俺は戸を開けた。そこには・・・
「やぁ、皆さんお久しぶりだなぁ。ひゃはははは!!」
稲倉?何故お前が?
今回は前編とさせていただきました。今、すごいねむいです(笑)。次回作もすぐにだしたい所ですが、そろそろ中間テストなのでまた遅れちゃうかもしれないです。でもこれからもよろしくお願いします。