出会いは突然
ガサガサ、バキッ!
少し前までは原型をとどめていたその物体は今となってはただの粉々になり棚一面広がっている
「んー、ちょっとやりすぎたかな?まぁだいじょうぶでしょ」
部屋で動く人物はそう呟きながらクローゼットを開ける
「これなんてどうだろう、でもなんか気がするな、どれにしようかなこっち?いやいやこっちもすごくいいんだよね」
なんて言いながらクローゼットの中から服を引っ張り出してはあーだこーだ言っている、大体15分ぐらいたってようやく決まったらしくクローゼットの鍵を閉めながら部屋の隅にある棚に目をやった。棚の方に移動しこれまたあーだこーだ言いながらどれにしようか悩み始めた
「これはこの間やってたし、こっちは毎日眺めてるし、もうそろそろ無理かな?ん?これいままで見たことないな...よし!これにきーめた」
棚からそれを取り出しもう用事は済んだらしく玄関に向かい始めるドアノブに手を掛けそっと言う
「いってきます。それとごめんね葵」
「ふわぁ~」
今日もいつもの日課にとりかかる葵だが部屋を一周することはなくある一点で葵は停止していた
そこにはカメラを取り付けたフィギュアが置いてあった場所である、そう置いてあった場所、いまではフィギュアは跡形もなく粉々にそれは見事にこなごなであった
「~~~~~~~~!」
声にならない叫びであった次の瞬間
「え、なにこれすごい綺麗に粉々なんですけどWどうしたらこんな均等に粉々にできんの?すごすぎだろWよし、これは丁寧に包装してしまっておこう」
袋を取り出し粉々になったフィギュアを丁寧に入れ振り返り葵は絶望した
「うそだろ...そんなだってあれは初回限定版豪華付録特典つきエロゲーなんだぞ...特典にはサイン色紙や抱き枕カバーなどてんこ盛りで、今日まで楽しみにとって置いたのに...なぜだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ガクッと膝から崩れ落ち今葵に一番似合うのはおそらくOrzである絶望を隠しきれず叫ぶこれまた叫ぶするとお隣さんから壁ドンされてしまい葵は「ひぃぃぃ!」を短く悲鳴を上げのしのしと這いつくばりながら部屋の隅っこまでいき体操座りでなにやらぶつぶつ言いながら静かに泣き始めた...
「よし、決めたもう決めた絶対やってるんだからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そういいながらバーベルを持ちクローゼットに向かって走り出した葵は狂人のような目つきで泣きながらクローゼットを壊しにかかった
「ちょっと!まって!」
葵は一瞬女の声をそんな声が聞こえたがもう手遅れ、既に勢いのついたバーベルを止める事は出来なかった。バキィィ!バーベルはクローゼットを貫通しその衝撃でクローゼットの扉は外れ中にあったものが勢いよく部屋に流れ込んできた
「へ?」
葵はクローゼットから出てきたものから目が離せなかった、そこには女物の洋服やら下着やらが葵の足元まで散乱していた
「なんでだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
驚愕している葵しかし体は違った自分の意思とは関係なしにダイブしていた
「うほぉぉぉぉぉ!なんだこれ!神様から褒美ってやつ?すーはーすーはー、あ、これ微妙に暖かい...」
「ちょっとまてぇぇぇぇぇぇぇ!今すぐそこからはなれろぉぉぉぉぉ!」
次の瞬間葵のからだはまたしても自分の意思とは関係なしにパラダイスから離れていった
「うへ?なんで、体が勝手に動くんですけどぉぉぉぉぉ、しかもなんか声聞こえたし!まさかの恐怖体験?えへへへ」
「ちょ、なんでそこで喜ぶのよ!?」
葵の体はそのまま部屋の中央まで移動し正座で座らされた
「はぁ、葵あんた最低ね」
「なんで俺の名前知ってんだよ、ていうかお前誰だよ、どこに居るんだよ!」
葵は事態が把握できず焦っていたそれもそうだ自分の理解の範疇を超えていることが続けざまに何度も起きているのだから、そんな葵を落ち着かせるかのように、声の主はしゃべり始める
「葵まずは落ち着いて私の話を聞いて、まず私は橘姫野《たちばなひめの》よ」
「姫野?で、その姫野さんはなんで姿をみせてくれないの?」
「ん?だって私あなたの中に居るもの」
「へ?俺の中に?|(ダメだこいつ頭が逝ってやがる)」
「ちょっと、今失礼なこと考えてたでしょ」
「当たり前だろ、そんないきなり今時中学生でも言わないこと言われても信じれるか!」
「だってしょうがないじゃん!本当のことなんだから!」
「あ?そこまで言うなら証拠でもあるのかな?ん?」
と、葵は勝ったっと思いながらゲスな笑みで言う
「いいわよ証拠みせてあげるわよ、その代わり真実だったら何してくれるの?」
「へ?」
葵はそんな回答が来るとはまったく想像していなく間抜けずらで思考が停止したが、すぐさま切り替え
「いいよ何でもしてやるよ!土下座でもなんでもな!」
「その言葉忘れないでよね、じゃあちょっと鏡の前にたって目をつぶって」
葵は言われた通りに鏡の前にたって目をつぶった
「これでいいのか?」
「オッケーよ、いいって言うまで開けちゃだめだからね」
と次の瞬間葵は後ろに引っ張られる感じがし「今のは?」と思ったが
「おいまだ閉じたままか?」
「もういいわよ」
おそるおそる目を開けるとそこにはなんとサイドポニーの美少女がいるではありませんか
「はいぃ?俺がこんな美少女になってるだと..ちょっとまて、なぜ体が動かない...動けこの!頼む動いてくれ!動いてその胸を揉むんだぁぁぁぁぁぁ!」
この男欲望に忠実である
「はい、おしまい」
と姫野が言うと鏡には今度は葵がいた
「へ、もどった?体も動く......なんでだよぉぉぉぉぉぉもうちょっと堪能したかったのにぃぃぃぃぃ!」
「させるか!それはさておきさっき何でもするって言ったわよね?」
「...」
「疑って申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!!」
葵は刹那の速さで鏡に向かって土下座をした
「葵ってプライドってないの?」
「そんなの引きニートになるときに可燃ごみにすててきたわ!」
「それってそんな威張れるものなの!?」
「ふっ、そんなのはこの際どうでもよいわ!時に姫野さんや」
「なによ」
葵は次第に真剣な表情になり言った
「もう一回、姫野の体に交代してください!」ゴンッ!
葵は床に思いっきり頭を押し付け土下座をした、もう一度言うこの男欲望に忠実である
「いやよ」
「そこをなんとか」
「いーや!」
「ちぃっ!ところで姫野よ」
頭を床につけたまま葵は続ける
「俺の大切なエロゲーを何処にやった?そしてあそこの服やらはどうした?」
「う、そ、それは」
姫野は焦ったこれは言い逃れの出来ないと分かってしまったのだ
「はぁ、もういいよ姫野もう無いものはしょうがないから...」
「え、ほんとに?さすが葵」
「その代わりわかってるよね?姫野?」
「あ、はいわかりました」
あっけなく姫野は主導権をとられてしまった
「はぁ、じゃあいくわよ」
と、次の瞬間葵の体が姫野に変わっていた
「なぁ姫野ちょっと試したいことあるんだけどいいか?」
「はぁ、もうなんでもすきにすれば」
どうやら姫野はさっきので抵抗をする気力がなくなったようだ、葵は何か集中しているようだすると姫野は急に後ろに引っ張られる感じがしたすると
「やったぁぁぁぁぁ!思ったとおりだ、どうよ姫野」
なんと今姫野を動かしているのは姫野本人ではなく葵なのだ
「え、なんで?」
姫野が不思議そうに言うと
「だって一番最初クローゼットの件で一回俺自分の意思じゃなく姫野の意思で俺の体動いただろ?だから出来るんじゃないかなっておもってさ」
「たしかにあの時は必死だったから気づかなかったけど確かにそうだったわ」
とりあえず成功した作戦を最終段階に進めるとするか...
姫野の手元い今は葵の手が素早く上へ上がっていくのを姫野が気づいた時にはもう遅かった
「うぉぉぉ!なんだこれ!やわらかいぞ!こんな感覚初めてだぐへへ...」
「ちょっとぉぉぉぉ////やめなさいってって、ちょっと涎!」
姫野|(中身は葵)の口からは絶え間なく涎がたれ流れているそれはもう滝のようにまさしく垂涎
「うへへへ、ぐふふふ」
「だからやめなさいよぉぉぉぉ///」
この二人やり取りはこの後2時間も続いたのであった