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46話 ジェノ主人公化計画始動?

 とある計画を思いついてからしばらく。ガイサは全身の傷が段々と修復されていく、ひしゃげていた脚も元通りになりつつある。俺達の方はと言えば、全員倒れ付していた。ジェノもコーキンもテッペも気を失っている。俺は龍神と融合したような姿が解除されて元の姿で倒れてる状態だ。


 ガイサはかなり強かった。ていうかかなり厄介なスキルを持ってるみたいだった。何度も攻撃してみて、どうやら前腕の装甲は物理攻撃の威力を吸収してしまうらしい。コーキンの一撃を防いだのはこれで、重ねてその吸収した威力を拳でも平でもとにかく手に乗せて放つことが出来るようだ。このせいでコーキンやテッペが盛大に吹き飛ばされていた。


 まぁ、このほぼ全滅状態を作る為に裏で色々やったけど。コーキンとテッペを気絶させたのは俺だし。時間を止めてガイサの攻撃に合わせて延髄にチョップを叩き込んだからな。一発じゃ微妙っぽくて何回か入れたりするお茶目な一幕もあったけど。ジェノは俺が脱落した(フリをした)直後に普通に気絶してた。


 ガイサは満足気に歩み寄ってくる。さすがにトドメを刺されたら困るから、俺は立ち上がることにした。ダメージはあるけど、動ける。姿を戻して戦闘不能アピールをしてたけど、見た目を戻しただけでスキルの効果であるパラメータの強化はまだ続いてるからな。見た目が変化するのはその為のスキルを使ってるだけであってコノミからもらったスキルは関係ない。


 しかし、俺が立ち上がる前にジェノが意識を取り戻し、誰も立っていない現状を把握するが早いか立ち上がった。もう少し寝てるかと思ったのにまさかこのタイミングで起きるなんて。コーキン達みたいに気絶させるか?


「ほう、まだ立てたか」


 ガイサは脚が修復されるのを待ちながら、小さく呟いたのを俺は聞き逃さなかった。まぁ不意をつかれたお陰かジェノはそんなにダメージもらってなかったからな。


 しばらく様子を見ることにして、盗み見てることがばれないように【幻想投影】で倒れてる俺の姿を作り出しておいて【時間停止】で離脱して更に【身体変容】で丸太に化けておく。これでばれずに見守れるはず。元々の計画からずれているけど、いつでも修正出来るように構えておこう。どうせすぐぶっ飛ばされるだろうし。


 そこで見たのは、まさかのジェノの健闘だった。一人でガイサの攻撃を捌いて、かつ反撃まで入れてるのは完全に予想外。っていうかあんな早く動けるのか?コーキン並みだぞあれ。


 ちょっと衝撃的だったけど、どうやら魔法具をすごい勢いで消費してなんとか戦ってるみたいだ。多分あと1分持つかどうかだと思う。そんなに沢山装備するスペースもお金も無いだろうし。


 にしてもまさかジェノがここまでガイサと戦えるのは予想外だった。所々地味に妨害して気絶させたとは言ってもAランクの冒険者二人だし、コーキンなんかはゴリラと化してもっと強くなってたし。


 そのまま眺めてると、突然ジェノの動きが早さと勢いを増した。ジェノの持つ【使い捨て】のスキルでは十回分の一を一辺に使って十にしてるだけで、つまりはアイテムの持つ性能以上のことは発揮できない。なのに出力が上がったってことは、更にいいアイテムが少しだけあってそれを使ったのかな?ただでさえお金が無いのに大丈夫か?


 そして増した勢いでガイサの手首と肘を切り飛ばしてから、胸にも強烈な一撃を叩き込んでいた。一瞬で二回切るとかかっこよすぎるだろ!俺の目から見てもほぼ同時に見えたから、相当な速さだなあれは。


 しかし、ガイサは再び立ち上がった。ジェノは既に限界そうだった。多分魔法具も残ってないだろうし、あれだけの動きをすればアニメとかでつき物な反動とかあってもおかしくない。


 さっき思いついた計画では、まず【弱体化】を解除してガイサをボッコボコにする。その後協力するように脅して、さっき戦いながら習得した【夢操作】でジェノにガイサと戦うヒーローと、そのヒーローが自爆するような夢を見せる。その夢の中の爆発のタイミングに合わせてジェノを転がして、目が覚めたら夢と同じようにボロボロになったガイサをスタンバイさせておいて、トドメを刺させる。


 こうすればジェノも色々思うことがあるだろうし、ガイサを仲間にしてジェノに装備させればジェノはガイサを倒した英雄+ガイサの力を手に入れて強くなる=ラノベ主人公並みの人気とチート能力が手に入る。という計画だったわけだ。


 けど、ジェノがあれだけ頑張ってガイサを追い込んだのに、その後ガイサを脅してトドメを刺させたり夢なんか見せたりしたら、茶番どころの話じゃなくなる。流石にそこまでジェノの頑張りを踏みにじるのは心苦しい。


 かといってこのまま放っておくわけにもいかないし、ヒーローのくだりだけはやらせてもらう。その代わりガイサに関してはガチンコで挑んでもらおうか。ハンデは背負わせるけどね。今の状態じゃどう考えてもジェノに勝ち目は無い。結局ジェノに勝って貰わないと困るんだから、そこは仕方ないね。


 そうと決まれば早速と、いくつかスキルをまとめて申請した。【並列思考】のおかげでいくつもの脳内申請用紙に同時に書き込めるし、【思考加速】のお陰か処理速度が上がった気がする。光回線か何かかな?


 ああ、そういえば【スキル創造】もパッシブに出来たからしておいた。おかげでいつでも頭で考えるだけでスキルを作り出すことが出来る。便利便利。


 そして許可が下りて【遠隔爆破】と【音響操作】をパッシブで習得した。【遠隔爆破】は文字通り遠隔で爆発を起こす。射程は見える範囲。威力は魔力量で調節可。【音響操作】は簡単に言えば音を操るスキル。音を発生させたり消したり、高さを変えたり、大きくしたり小さくしたり、色々出来る。


 音って振動だったはずだから攻撃にも使えそうな振動を操作するスキルでも良かったんだけど、それだと面倒そうだったので音に絞った。振動操作だと振動を操って音にするところまで手動だからな。攻撃手段は他に色々あるし今はいいや。


 まずは【時間停止】の効果で時間を止めて、ジェノが背中を向けている木々に隠れる。そして【身体変容】で姿を変える。んー、せっかくだし地元のご当地ヒーローにしよう。俺の身体はみるみる内に身長190cmくらい、赤いタイツに白いアーマーを装備した仮面の戦士の姿へと変化した。これは俺が元いた世界のご当地ヒーロー、白兎超人ガイバスターの姿だ。


 次は武器だな。そこらに転がっていた受験者達のものと思われる剣を拾ってきて、スキルを使う。


「【アイテム作成】」


 出来たのは、白い兎を模した剣。鍔の部分には顔が付いてる。一回でスキルの付与もまとめて出来たみたいだから、そうしておいた。ガイバスターの剣に付与したのは、【発光】と【頑丈】というスキルだ。簡単に言うと、折れにくくて光る剣が出来た。演出は大事だよね。


 これで準備は完了だ。あとはガイサからジェノを庇って、そこそこ戦ってからピンチを演出し、平和への願いをジェノに託して自爆する。ある程度はガイサにもダメージを与えておかないといけないから、【融合躍進】と【弱体化】をオフにしておいた。


 そして隠れた状態で、【時間停止】を解除する。時が動き出し、ガイサはジェノへと歩み寄る。


 さて、精一杯ヒーローを演じてくるとするか。


 


スプリの言う最初の計画は当初予定していたシナリオです。

書いていく中でジェノがあんまりにも頑張ってガイサと戦っていたので、

これを夢の出来事にしたら茶番過ぎるしジェノが可愛そうな為若干変更しました。

そのせいで更新が遅れましたが、何卒ご容赦ください

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