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もしも、心が読めたなら  作者: 霧島 鈴香
1/1

きっかけ

 私は、目の前に広がっている現実を受け入れることができなかった。親友が今、窓の縁に立って、こちらを見ているという現実を__。



 一時間前。私達は、部活中にもかかわらず、話に花を咲かせていた。(ちなみに、私の所属する吹奏楽部のフルートパートは、代々緩いパートであったため、練習を放棄し、話に花が咲くことはよくあった。)


 話を初めてから、二十分程度たった頃。以前から気になっていた疑問が私の口から出てきた。

「ねえ、 二年M。人間ってなんも使わずに、飛ぶことできんのかな?」

 すると、指名された二年Mは、一瞬考え込む素振りを見せ、眉を潜めながら答えた。

「飛べないんじゃないですか?」


 案の定、あっさりと予測していた返答が返ってきた。

 しかし、諦めが悪い私は、ものすごい速さで、親友Rの方へ顔を向けた。


 急に顔を向けられ、驚いた親友Rは飲んでいたお茶を盛大に吹き出した。そして、その直後に、私の方を鋭い目付きで睨む。だが、彼女の顔は"ほんわか"としているので、全くと言っていいほど迫力はない。

 だが、彼女の機嫌を損ねさせると、あとから倍以上になって返ってくるので、その顔を見て、ニヤニヤしながら謝っておいた。(あとから、こっぴどく怒られたが)


 …気を取り直して、親友Rにもう一度同じ質問をしてみた。

 すると、私の覚悟していた言葉とは全く真逆の言葉を、彼女は平然と言ってのけてしまった。


「え、普通に飛べるやろ」






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