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第2話 末路 ご利用は計画的に

やっちまったZE☆


なるべくあかるいさくひんにしようとがんばります

第弐話 末路 ご利用は計画的に!


・??? Side


 ・・・悪夢だった。今日までお互いに利用しあってきた程度の仲だったが、盗賊団がいきなりわけもわからないうちに壊滅した。

 今日の稼ぎと捕らえていた捕虜を何人かの男達が凌辱しに行った後、あたいは武器の手入れをしていた。その時に響いた大きな音に急いで向かうと、今まで見たことも無いような魔物が男達を次々に肉塊に変えていった。

 勿論抵抗したが、己の武器は効かず、幸いあの魔物はあたいのことは眼中になかったみたいだったので隙を見て洞窟を逃げ出した。・・・油断もあった。外に出て行き成り後方に引っ張られる感覚がしたと思ったら、あたいは空中を飛んでいた。そして振り向くと、先程とは別の怪物があたいを捕らえていて、今度こそ絶望したね。・・・あの時はほんと気力がわかず、「ああ、ここで終わりかい」と呟いて抵抗をやめた。

 ただし、あたいはその時奇跡的に命を拾った。蜘蛛の化け物はあたいを自分の糸で拘束雁字搦めに拘束した後、結局何もせずにいたのだ。

 まあその時も自分に子供を産みつけられるかとか、子供の餌にされるとかいろいろ考えたさ。そしてあまりの恐怖の重圧に結局気絶して、気がついたらやたらと白い部屋にいた。どうやら独房と言うか牢屋みたいだった。両手両足に全然外れない金属製のリングが付いていて、ぴっちり吸い付いている。

 とりあえず何なのかまるで分らなかったが、自分が生きているのを確認して安堵したもんさ。ベッドらしきものもあったから、何とかそこにうずくまって何も考えないようにしている。

 そんな時さ、奴が現れたのは。

「・・・や。気分は如何かな? 盗賊のお嬢さん」

 嫌に気軽な声と共に現れたのは、がっしりとした体格の長身の男だった。見た目が偉い若く見えるけど、老獪な気配がするから、おそらく年齢は20代後半――。

「あれ? 聞こえてないのかな? お嬢さーん?」

 ・・・耳障りだ、と思った。へらへらしやがって、何が楽しいんだ?

「・・・何だい、答えてやるからその耳障りな口調をやめな・・・」

 さも鬱陶しげに見える様に答える。死にたくないから、隙をついて逃げてやるさ。幸い武器は押収されてない。間抜けが。

「おお、ようやくこっちを見たか。・・・いやー少しばかり俺の暇潰し兼あんたの立場を明確にわからせてやろうと思ってさ」

「・・・はあ?」

 今この男は何て言った? 奴は格子越しに向かい合い、近くにあった椅子に座って値を見ている。・・・ひどく挑発的な目で。

「まずはこちらから。・・・あなたが入っていた盗賊団を壊滅させたのはこの俺です」

「・・・はあ!?」

 こいつ何を言って・・・? !?

 こいつの後ろからなんか出てきやがった。間違いなく、あの時あたい達を皆殺しにした見たことも無いような化け物!

 瞬間頭が沸騰した。

「てんめえぇぇ!!」

 暴れる感情のまま鉄格子傍までより、眼前のむかつく面に手を伸ばす。しかし届かない。・・・当然か。

「・・・くっ」

「おやおや、そこまで感情をむき出しにするとは・・・自分の男でもいましたか? ユティーサさん?」

「!?」

 心底むかつく不思議そうな目であたいを見る、奴が呟いた名前は確かにあたいの名前!

「な・・・んで、それを・・・」

「さーて、何故でしょう?」

 ヘラヘラ笑いを浮かべてとぼける奴。しかし次の瞬間には真面目な表情に変わった。

「ユティーサ23歳、生まれはカテドラの娼婦の子。娼館で育ち15歳の時に娼館が潰れ母と死別。それを機に盗賊稼業に転向。先程まで所属していた盗賊団は、数日前に頭に気に入られ夜の相手をするという条件で所属」

「・・・・」

 この男・・・! あたいのザックリとした履歴を何で知ってる? あたいは何か得体のしれない悪寒が身体を支配していくのを感じた。

「なに、種あかしは簡単ですよ? 直接俺の超能力で記憶を見させていただきました。まあこの世界に超能力なんてものがあるかは知りませんがね」

「・・・」

 あたいは距離を取って相手を慎重に観察していく。

「・・・で? 盗賊の末路は知ってんだろ。斬首か奴隷として売られていくしかない。女の場合はそれこそ性奴隷しか選択肢は無い。手前は、あたいをどうする気だ?」

「特に、何も」

「は?」

 今こいつなんて言った?

「正確には先程まで何も思いつきませんでしたね。盗賊の末路も俺は今初めて知りましたし。・・・まあ・・・」

 とそこで目の前の男はあたいの体を上から下まで嬲るように見る。

「ユティーサが性奴隷になる、と言うのは実にそそられる内容ですが」

「・・・だれが、貴様なんぞに飼われてたまるか!」

 それこそ冗談じゃない!

「ならば、死にますか? お望みとあれば楽に殺してあげますよ?」

「!!」

 途端に酷薄な表情となって言う男。一瞬あたいは息が詰まった。

「・・・まあ所詮敗者であるあなたが取れる選択肢何て、2つに1つでしょう? すなわち・・・生きるか死ぬか。幸いと言うか俺には今、確実にユティーサ、あんたの生殺与奪の権利はこちらにある。・・・奪う者は奪われる覚悟もしなければならない」

「・・・」

「そして、さっきの話だ。あんたは後ろの奴が自分が眼中になかったことが分かると、盗賊団の隙をついて逃げ出した。生きたかったんだろ? 死にたくなかったんだろ?」

 後ろの化け物を指差して男は言う。

「・・・」

「ならば選択肢は一つだと思うね? ・・・ちがうかい? ちなみに俺はそこまで執着は無いから、好きにしてくれていい」

 あたいは歯軋りした。それこそ選択肢何て1択じゃないか! 憎悪を込めて相手を見らむが、奴は肩をすくめてわざとらしく「怖い怖い」とうそぶく。

「ああ、ちなみに今、この場で決めてください。・・・俺に絶対服従を誓って生きるか、潔く死ぬか。・・・まあその表情を見る限りもう腹は決まってますかね?」

「―――!!」

 むかつく! 最高にむかつくやつだ! この男! あたいは煮えたぎる憎悪がこもった目のまま、ゆっくりと床に座り頭を垂れる。

「・・・先程までのご無礼、平にご容赦ください。・・・私めは、今日この瞬間より貴方様にだけお仕え致します、卑しい卑しい性奴隷でございます。・・・貴方様にだけ、この肢体を用いて牝として奉仕させて頂きます。・・・私、ユティーサは神に、そして貴方様に従僕にして下僕の約を、唯一無二の誓約と契約と盟約を捧げます・・・」

 視界の端に、ニンマリと笑ったあいつの顔が映る。・・・ああ、殺してやりたい! それと同時に今言った内容で約定を施行しようと契約の神の力が働いていくのが分かった。


・Side End.



・トラ Side


「結構! お互いの合意をもって、約定を果たしましょうか?」

 やった♪ やった♪ 労せずして俺だけの牝奴隷セフレゲットだぜ!

 いやー良い取引だわー! おっと遅れちまったがこのユティーサというまあまあの美女の容姿を説明するぜ!

 黒髪黒目の20代前半、やや吊り目がちながらも充分美人と言って差し支えない。後ろで無造作に括った髪型も俺的にはポイント高し! 肢体は出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでて非常にメリハリの利いたボディである! 盗賊の頭が気に入ったっていうのもうなずけるわ。

 でもまあ油断はできない。口調こそ奴隷だが、その眼はまだ死んでいない。・・・良いね、そういう目をいかに殺さず折らずに調教していくかが実に楽しみだ♪

 そうこうしてるうちになにか、理解不能の力がユティーサの周りに集っていた。

 さて、最後の仕上げと逝きましょうかね?

「・・・ところで、恥ずかしながら俺はこの後どうするのか知らないんだわ。と言う訳で教えてくれない?」

 あくまでにこやかに、言う俺。

 するとユティーサはしばらくして立ち上がり、自分の持ってた短剣で自分の指に軽い傷をつくった。ジワリとその傷口からにじむ血。

「契約は相互の血を交わし、名前を唱えることで成立します。・・・この場合貴方様が名前を言った後にその約を承認する、とおっしゃっていただければ完了です」

 そうかそうか、では早速! 俺は牢屋の鍵を開け、中に入るとユティーサに近づいた。

「あ、その短剣貸してくれる?」

 さて鬼が出るか蛇が出るか・・・てあれ? なんかデジャブる? まあいっか。目の前にはそっと短剣を差し出す美女。俺はその短剣を借り受けようと手を伸ばしたところ――、


 ――ヒュン―――!


 と、目の前にあったはずの短剣の刃が此方を向いて、

「・・・!!」

 ドスって音と一緒に、俺の心臓の位置に突き刺さった。


・Side End.



・ユティーサ Side


 ―――やった! あたいは歓喜を浮かべて確信した! 目の前の男の胸に深々と突き刺さる愛剣を見て、最後の賭けに勝ったことを狂喜した。 ざまあみろ!これであたいは――!!

「・・・日野 虎紅の名において、汝の約を承認する」

 は・・・? あたいは目を疑った。何故なら目の前の男とそっくりな声が、指を傷つけた方から聞こえて来た。恐る恐る目を向けると、空中から腕が生えていて、その先の指には傷がついて、こちらの傷がついた指に触れ相互の血を交わしている。

「いやー、油断大敵だぜ? ユティーサ」

 と聞えて来た方と空中から生えた腕の位置は奇しくも同じ。そしてあたいの目の前で、ゆっくりと腕の正体が浮かんできた。

 薄いが光沢のある顔まで覆うフルフェイスの鎧みたいなもの。そしてそいつはゆっくりと兜を脱ぐとそこには――、

「!!」

 あたいが殺したはずの、男が意地の悪い笑み浮かべてそこに居た。


・Side End.



・トラ Side


 引っかかった♪ 引っかかった♪ 驚愕に染まる顔に、思わず悪い笑みを浮かべる俺。だめだ、どうしてもにやけちまう!

「・・・な、なんで・・・!」

 と、驚愕から回復したのか口を開くユティーサ・・・てか愛称はユティでいいな。

「ユティ、自分で考えてごらん? 奴隷であるユティはどういう態度を取ればよいか」

「――!! も、申し訳ございません! 旦那様!」

 とすぐに平伏するユティ。でもまあ俺も寛容さを見せるとするか。

「ユティ、口調だけは前のままで良い。ただし俺と俺に近しいモノしか周囲にいない場合に限る」

「承知いたしました。・・・手前、なんで生きていやがる!? あたいが刺したあいつは・・・!?」

 と、自分が刺した俺を見るユティ。そんじゃま種明かしと・・・

「!!」

 ユティが見てる前で、心臓に短剣が突き刺さった俺の立体映像を解いてやった。・・・この立体映像、見た目と質感を完璧に再現できる優れものだぜ!

「・・・クックック、驚いたかユティ?」

 結構見物だね今のユティの顔。驚愕と怒りと憎悪、それに絶望が程よくブレンドされた俺好みの顔だ。

「・・・さてユティ? 君は約を結ぶ際にした行動を、どう説明する?」

 俺の言葉に、途端にビクつくユティ。・・・可愛いねー♪

 そして地面に頭を擦りつけて懇願している。

「お願いします・・・! 殺さないで下さい殺さないでください・・・!」

 異常に怯えてる様子を見て、少しやり過ぎたかと反省。

「あー殺すつもりは無いよ? 元々ユティの行動は読めてたから。・・・でも少しイラッときたから、これからすることを少し苦しくしてあげよう。俗にいうお仕置きだね」

 途端に顔面蒼白になるユティ。構わず俺は念話でディーに指示。途端に部屋の中に現れる緑色の流動体が入れられた、人1人が入るくらい巨大なポッド。

「ユティには、今からこの中に入ってもらいます。全裸で。拒否権は無し、とっとと脱げ」

「―――!!??」

 最早声にならんとは・・・哀れ。しかしきっちり命令通りに全裸になるあたり・・・た、たまらんですたい・・・! 今すぐぐちゃぐちゃに抱き尽くす獣欲をすんでのところで我慢。

「それでは・・・ディー頼むわ」

《了解》

 ポッドの扉が開き、緑色の流動体が触手らしきものを伸ばし、全裸のユティに絡みつく。

「――ひいいぃぃぃっ!?」

 そしてあっという間に引きずられ、ポッドの中に入れられるユティ。・・・はたから見たら哀れよ。あ、空気を吐いた。でもご心配なく! あの緑色の流動体はエロスライムなんかでは断じてなく、ただの医療用ナノマシンの集合体だ! ほんの少し、俺の趣味を前面に押し出した結果のだがな! いやー俺も実は性病は怖いのです。どうせ抱くなら、綺麗な体を抱きたいでごわすから!

 本来なら、意識が無い状態で治療するんだけど、出来ない程じゃないからやってみました☆ 合掌。

 あ、だんだん体の色が上気してきた。感じているみたいですねー、艶っぽい表情しはじめましたよ? ・・・いかんな、こういうシチュはなんともはや、こうムラムラする!

「・・・ディー! たしかあと何体か〈性的愛玩人形セクサロイド〉があったよな? 今すぐ起動して俺のところに送ってくれ!」

《了解・・・タイプは如何しますか?》

「え?」

 なに? そんなんあるの?

《小悪魔系ロリとか、S系お姉さんとか巨乳ドジっ娘とか、貧乳ツンデレ系等多種多様の対応がそろっています》

「・・・マジで」

 どんだけー! 人間の欲望果てしないな! 聞いた俺の方がびっくりだわ! ドン引きだわいな!

 まあでもよく考えて・・・

「ベッドの上ではM系お姉さんって、ないよねー?」

《ありますが》

「はっはっは、そうだよねーないよねー・・・って、あるんかい!?」

 マジでパないわ! ニーズに果てしなく対応してるわ!

《では転送します》


 ――シュン――ッ


 と言う音と共に俺の目の前に現れたのは、

「――〈性的愛玩人形セクサロイド型式タイプRPⅢ‐E、エレンと申します。どうぞ可愛がってくださいまし」

 と転送と同時に深々と頭を下げて来たのはメイドさんだった。正統派メイドさんだった。極めて重要で大事なことだったんで2回言っちゃった。

 しかも! 容姿はなんだっけ・・・! そうとっつぁんでお馴染みの3代目大怪盗、そのTVスペシャルシリーズの第9作目! ワルサーP‐38のヒロイン、エレンでは、あ~りませんか!?

 ・・・え? なにすっごくマニアックでコアすぎる? なにそれオイシイノ? まあ正直おれもどうかと思う。 とっつぁん・・・

 ・・・でも、美人に罪は無し!

「――ああ、早速だがユティの治療が終わるまで相手をしてくれ」

 と、着ている服を脱ぎ脱ぎして命令する俺。それに「はい」と返事をして俺に近づいてくるエレン。

 ・・・はっはっは、今日は眠れない一日になりそうDA☆ZE☆


あくまでノリと欲望がこの小説の原動力です!

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