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第1話 転移先は異世界でした?

ほとばしる情熱!

《―――マスター、マスター起きてください》

「・・・ん?」

 と俺を呼ぶ声で目を覚ます。どうやら気絶していたらしい。

「・・・ディー、状況の確認を。目の前の風景を見る限りでは、転移の制御には成功したのか?」

 ていうかそうであってほしい。だが、油断はできない。なにせ目の前は一面荒野だからねー。そしてなにか得体のしれない地球上では見たことも無いような生物たちが闊歩してるが、気にしない。おれはきにしないぞーー!

《マスター、落ち着いて聞いてください。自宅との連絡はついています》

「おお!」

 良かったー、思わず安堵する。自宅には表向き俺の嫁さんである〈人造人形アンドロイド〉にして〈性的愛玩人形セクサロイド〉の日野ひの れいが常駐している。勿論零自体はディーが格納していた遺産の1つ。

「じゃあ、ここは地球でいいんだな? 目の前の動物たちは・・・ギアナ高地か?」

《・・・それが、連絡はつくのですが、転移不可能です。現在の座標が分かりません》

「は?」

 え、なにそれ? 現在地が分からない? それは可笑しい。こと地球上である限りディーに不可能はないはず・・・まさか!?

《マスターの懸念通りです。おそらくここは高確率で異世界でしょう・・・》

「なんじゃそりゃああああぁぁぁぁ!!!」

 それではみなさんご一緒に♪

 なんじゃそりゃああああぁぁぁぁ!!!

 リピートアフタミー!



「とりあえず状況は分かった・・・」

 何度か叫んで落ち着いた。でも異世界かーよく異世界もの読むんだけど、あれ主にトラックにはねられて転生したり召喚されたりするよね? 今回チートトラック(略称チートラ)と一緒に召喚・・・まあ今までになかったと思えば・・・でもほんとにこれからどうするかー・・・?

《マスター、ご安心ください。転移できないのは今現在のみです》

「――え、と言うことは・・・」

 とディーの言葉に釣られる俺。ディーの言い方だとこの状況は―――、

《現在急ピッチで地球と現在の世界とを行き来する方法を構築中です。通信が出来るという幸運をこの場で感謝を表したいです》

「と、言うことは・・・」

《今すぐにとはいきませんが、計算した結果2年後までには帰れます》

「よっしゃーーーーー!」

 ビバ! 帰れる! ヒャッハーーー! ディーは基本的に嘘はつけないし帰れるというお墨付きを頂いた! 異世界生活にもあこがれるけど、やっぱ地球に勝る者は無い! 主に娯楽面で! 漫画とかアニメとかラノベとかゲーム(エロも込みで)とかネット(you tubeとか)とか!

 そう考えるとこの状況も精一杯足掻いて生きてみるとしますか! 俺なりに、王道で!

「よし! ディー、早速だが周囲の探索だ」

《了解》

 と言う声と共にトラックの荷台カーゴの屋根が開き、探査衛星を打ち上げた後アンテナが顔を見せる。SFチックなアンテナだ! 皆の頭の中に在る最高にかっこいいアンテナを想像してくれ! 何なら赤い彗・・・ゴホッゲフン! ・・・失礼、興奮した。

《ここから北東に森林と集落が存在します。距離にして10km。そして現在地より半径15km圏内に多数の生命反応在り。確実に人間だと思われる反応が先程の集落と合わせて5か所。その内2か所が街道上、他の反応が集落、森林の中、そして渓谷の岩場の洞窟です》

「・・・ん? 集落はまだしも、森林と渓谷に人間の反応と言うのは可笑しくないか? ディー、その反応が人間である確率は?」

《87%》

 うーん、と言うことはかなりの高確率で在らせられるわけですねー。なんだろ? 隠れ里とか洞窟に住まう部族かな? もう少し情報は無いかな?

「・・・ディー?」

《街道上の2つの反応は順調に街道上を進行中です。おそらく隊商でしょう。私としては〈兵隊〉を派遣して様子を見ることを提案いたしますが》

「よし、じゃあそれで」

 それでは早速―――

「――ディー! 虚数空間接続! 蔵庫名称〈兵器群コンテナ〉より遠方操作自立人型兵器〈兵士ポーン〉と〈大蠍スコーピオン〉、〈大蜘蛛スパイダー〉それぞれ2体の使用を許可する! 出陣せ!」

《了解》

 と、後部荷台のハッチが開いて今言った3種類の決戦自動兵器が顔を見せる。

 〈兵士ポーン〉は流線的なシルエットが特徴的な人型兵器。所謂ロボットだね。かっこいいぜ!

 〈大蠍スコーピオン〉はその名の通り蠍を模した決戦自動兵器だ。射出も可能な矢尻状になった先端をしている尾、巨大な鋏に鋭い爪を持つ6本の足。大きさは大体車のセダン位で上に乗ることも可能。そして体内には数十種類も誇る数々の毒が。 ・・・なんで俺こいつ出したんだろ? 虫系は結構苦手なのに。

 〈大蜘蛛スパイダー〉も名の通り車のセダン並みの大きさを誇る蜘蛛型決戦自動兵器。鋭い爪を持つ8足の足に巨大な腹部、尻から出る粘着性を持った強靭な鋼糸は標準仕様! こいつも体内に持つ毒は標準装備だ! ・・・ほんと何でこいつら出したんだろ? ・・・あれか、ノリだな! まあいっか。

「〈兵士ポーン〉〈大蠍スコーピオン〉〈大蜘蛛スパイダー〉各1機を三人編成スリーマンセルとして問題の場所に派遣。最初は遠くから様子見だ。逐一映像送れ」

《了解》

 声が聞こえた時にはすでに皆砂塵をあげて移動を開始。みるみる見えなくなっていったのを見て異世界に来たんだなーと実感。

「さーて鬼が出るか蛇が出るか・・・。ディー念のため俺も装備を」

《了解・・・今回は何を?》

「うーん・・・まあ防護服スーツにしとくわ。・・・着装!」

 と俺の一声で見る見るうちに鎧っぽいのにおおわれる俺の体。イメージとしてはウイン○ペクターとかギャ○ンとかビー○ァイターみたいな薄手の鎧を想像してくれ! もちろん顔もしっかりフルフェイス!

「装備完了。ほんならば近くの渓谷だっけかそこに向かおう。それとディー、生命反応を現在判明している地図上に表示させて俺に見せてくれ」

《了解》

 相棒を走らせ今は見果てぬ荒野を突き進む。

 途端に空中に顕れる緑色の表示画面。見る限りほんとなにもないねー無駄に広いだけじゃね? ・・・ん? この目的地の渓谷だっけ? 人間反応2つしかないけど、それ以外の生命反応多数・・・てことはもしかして?

「ディー、此の渓谷だがお前が考えられる状況を詳しく頼む」

《了解。人間に対して他の生命反応が多数なことを踏まえて、おそらく襲われているのではないかと》

「それを早く言わんかぁ! 命令変更! 人間反応2つの救出を最優先! 俺もすぐに現場に向かう!」

《了解。・・・報告。たった今遭遇エンカウント映像見ますか?》

「すぐに見せろ!」

 再度空中に顕れるモニター。そこで俺が見たのは、みにくいあひるのこ・・・ではなく豚の顔をした2足歩行のオークみたいな化け物と、醜悪な緑色の体表をしたゴブリンチックな奴と、ずんぐりむっくりしたトロルっぽいやつ達が自動兵器に虐殺されている場面だった。・・・人形無双? ていうか弱くね? ファンタジーにお約束な敵を見た感動が薄れていったわ。

 しかし近代兵器(実際は古代兵器なんだけど)に虐殺される絵面を見て俺は思ったね。現実が空想を侵食している――!って。

 もはやなんでもいいけど。

 ・・・おお、自分でいっといてなんだけどなかなか様になっている連携ではないか。〈兵士ポーン〉が先陣を切って敵に突撃かまして無双。敵さんの中には魔法も使える奴がちらほらいたけど、全然無効化されるねー。装甲パないわ~。〈大蠍スコーピオン〉は中堅としてこぼれた敵を大鋏でギッタバッタとそんでついでに尻尾の矢尻で時に突き、時に射出して仕留めていく。〈大蜘蛛スパイダー〉は洞窟の外で文字通り網を張っており、逃げて来た敵さんを捕縛したりフィーッシュ!的な感じで釣り上げていく。・・・見てて悲しくなってくるほど絶望的な絵面ですな。

 おお、何て言ってるまにほぼ敵は居なくなりましたよ?

《鎮圧完了しました。後は掃討するのみなので〈大蠍スコーピオン〉〈大蜘蛛スパイダー〉に任せようと思いますが》

「そうだな。〈兵士ポーン〉はそのまま人間の反応があった地点まで向かってくれ」

 と画面の景色が結構な速さで変化していく。そして洞窟の一番奥、反応があった個所に到着するとそこに広がっていたのは――、

「―――!!」

 無残に化け物たちに犯された娘が2人、虚ろで焦点の合って無い目で虚空を見詰めていた。その口はだらしなく開いたままで、時折「あはは」とか「あへへ」とか呟いている。

 ・・・これは壊れた人間の反応だ。どれくらい犯され、蹂躙されたのかは想像に難くない。その身は白濁に穢れ、衣服は身に纏っておらず、そして若干お腹が大きいことから化け物の子を孕んでいるのだろう。まあまだ臨月じゃないな。予断は許されないが。

「――〈兵士ポーン〉」

 俺は〈兵士ポーン〉の操作を引き継ぎ、命じる(念じる)ままに動かした。

「(――助けに来た)」

 〈兵士ポーン〉のスピーカーから漏れたのは俺の声。マイクを通じて声を掛けるが反応は無し。

 おれはそっと、〈兵士ポーン〉の両手をそれぞれの少女の頭に乗せ――、

「(――電気♪)」


 ――バリバリバリーーーー!!


「――あばばばばばばばばっ!!?」

「――○×▽×■%#$~~~!!??」

 最高に痛がるように設定した特大(俺基準)の高電圧(現状のこいつらが死にはしない程度の)をかけてやった! まあ大体1分くらいでやめてやるけど。というか、「あばば」って・・・よく見れば綺麗な顔してるのに、悲鳴が可愛くないなー。もう一人は声にならんらしく身悶えてるが。ふっふっふ、苦痛に歪む美少女の顔と言うのも良いもんだね~♪ だけどこの状況は許せん! 怒りを覚える!

「(はい、終了~~♪)」

《・・・鬼ですか、あーた》

 ディーからのツッコミは無視だ! なんかプスプスと煙を上げている2人を見る。しばらく動かなかったが、唐突に1人1人と顔をあげていった。その眼に戻った多少の理性の光を見て、俺は安堵したね。

「・・・あな、たは・・・?」

 さて、何と言って応えようか?

「(通りすがった妖しい大人!)」

 やっぱりユーモアって大切だと思うんだ!

「「・・・」」

 ・・・ありゃ、なんか微妙な顔で二人とも気絶しちった☆ まあ面倒がないんでいっか? 俺は〈兵士ポーン〉に2人の回収を命じて、助けるための準備に入る。

「ディー、虚数空間接続、蔵庫名称〈医療病院ホスピタル〉とつなげろ。直接ナノマシンポッドで治療を開始。しばらくは眠らせておけ」

《了解》

 さて、なんやかんやと洞窟前に到着した俺は受け取った2人を解放したハッチに放り込むと、あとはディーに文字通り丸投げしちった☆

《どこの鬼畜ですかあーた・・・》

 気にしない!

 そして3機の兵隊たちには、今倒した敵さんの回収できる個所を回収するように命令。俺の読みだと、この世界に冒険者ギルドは必ずあるはずだから、便利な素材は回収しなくちゃ!



 そして回収が終わり次第その場を離れた俺達。さっきの2人は治療中。その際少しでもデータを集める様にディーには指示。情報なんて合って困ることは無いからなー。

 あ、それと報告。さっきの洞窟の中は結構財宝と言うか資材は溜めこまれていた。勿論すぐに回収を済ませてある。こういう時にあってよかった労働力。

 現在再び車中の人となった俺達は、もうあと2時間ほどで日が沈もうとしている状態で移動を開始。トラックをブッ飛ばして現場にもうすぐ到着。先に向かった兵隊たちは回収というか屋根の上に待機してもらっている。

 森林の中の、ほぼ人間の反応しかない地点。・・・ほぼってなんかフラグ立ててね?

《報告。反応近くに到着。映像出します》

 見て納得。これ絶対フラグだったわ。武器持って入り口に立つ見張りはみすぼらしい恰好をした男2人を見て確信した。こいつら盗賊だ!

《違っていたらどうするんですか?》

 まあ、そうだね。違ってたら恥ずかしいし〈兵士ポーン〉にステルスを用いての斥候を命じる。

 俺も万が一に備えてトラックを降りて現場へ向かう。気分はちょっとしたスパイだ。もちろんふざけるのは無し。

《語武運を・・・!? 警告! 生体反応の内1つが急に衰弱しはじめました!》

「!!」

 確信。ディーの警告のあと見えた〈兵士ポーン〉のモニターを見て俺は血相を変えた。

 ――室内には8人ほどがいて内4人は女性だった。やっぱ盗賊だったわ。4人の男が無理矢理女性を犯していて、しかもその内の1人を見せしめのためか、腹部に汚れた短剣を刺している。・・・下種が。口々に「もったいない」とか「死ぬまでは楽しめる」とか言ってる。・・・よし。

「〈兵士ポーン〉〈大蠍スコーピオン〉〈大蜘蛛スパイダー〉、やぁっておしまい! あ、ないとは思うけど盗賊一味の中に女が居たら捕縛して確保。死なせないように」

 というと〈兵士ポーン〉は部屋の中でステルスを解いて屑どもに襲い掛かった。あっという間に死体に変わる盗賊たち。そして入り口から満を期して〈大蠍スコーピオン〉が突入。〈大蜘蛛スパイダー〉は先程と同じく後詰。今度は〈大蠍スコーピオン〉の無双状態。大鋏は容赦無く盗賊たちを上下に両断し、尻尾の一撃は腹部や肩口を貫通し血と臓物を撒き散らす。脚は群がる盗賊たちを引き裂き押しつぶしていく。

「(助けに来た)」

 と、傷付いた女性を抱え起こしながら、〈兵士ポーン〉のスピーカーを通じて言う。

「〈兵士ポーン〉に命令。瀕死の女性を転送しろ。・・・ディー、女性を頼む」

《了解》

 さて、では問答無用で転送!

 ・・・あ、残りの女性たちが目を見開いて硬直してる。おもろいなー♪ 人が度肝を抜く表情を見るのも俺の楽しみである!

《やっぱり良い性格してますね?》

 うっさい! それも今までの付き合いで分かっとろーが!

 ・・・ん? 残りの3人を見ると、なんかすごい違和感。・・・ヨーク見てみると――

 ・・・! こ、これは! 一人が細長い耳が特徴的な普通のエルフで、もう一人が猫耳尻尾付の獣人だと!

 此処は言っておくべきだろう、エルフ娘と猫ミミ キターーーーーーッ!

 さてまあ何があるかわからないんで、

「(しばらく眠っていてほしい)」

 と、3人の後頭部に手刀を落とし昏倒させた。・・・さて、この3人もお持ち帰りだ! というわけで、転送した。

 丁度殲滅が終わったらしいこの盗賊アジトを兵隊どもに散策させる。思わぬお宝があるかもしれないし♪

《私達、完全に追剥ですね》

 そこ、うっさい。気にしない! 俺は気にしないぞ!

 ・・・おや? 〈大蜘蛛スパイダー〉が張った網の中に糸でぐるぐる巻きにされたヒト型らしき影が・・・あぁ! あんまり期待してなかったけどもしかして女!? そういえばミイラみたいになったなかに女性らしいふくらみが見える。・・・くっふっふ、そうですかー女性が居ましたかー♪

《マスター、すっごい暗い笑みですね?》

 笑いで居られるか! レッツお楽しみタイムかもしれんわ!

 それでは面倒事はさっさと終わらせようかねー♪



 ・・・さて、ようやく日も沈み、今日一日成果を振り替えってみよう。

 現在化け物どもから救出した女性2人は治療中。化け物の子供は堕胎させた。・・・説明聞きたい? お勧めしないけど。えー、ナノマシンを使いまして体内から文字通り殺した後溶解させた。・・・おえ、言ってて気持ち悪くなってきた。もろもろの治療を含めて明日の昼ごろまでかかる。

 次に盗賊たちから救出した女性4人に関してだが、腹部を刺された女性は順調に回復している。他の3人も同様。一応孕んでないかサービスで調べておいたけど心配なし! トラウマになってもいいことないから、前述の女性も含めて。念のための意味合いが強い治療も前述と同じく明日の昼ごろまでかかる。まあ明日一気にご対面となるな。それまでめっちゃ暇だけど。

 しかし便利なポットですわナノマシンポッドて。さすがに古代遺産な訳在って近代医療なんて目じゃないね☆ その内古代遺産だから☆ というだけで説明がついちゃうような気がする。・・・もう手遅れか。ご愁傷様。

 さてでは、早速先程捕まえた盗賊の女性を使って暇つぶしと逝きますか!

《字が間違っていませんか?》

 気のせいだ!



一人称も難しいね


でもポンポン話は進む君~♪

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