プロローグ
日曜日の早朝5:30頃、窓の外はまだ薄暗い。小鳥がさえずり、木々が薄く揺れる平和な街。
宮阪町のとある一軒家に住む男子高校生・・・昨夜ドラゴン10頭と校庭で殺し合いをし、30分ほど前に帰ってきていた鉄大兎はベッドで寝息を立てていた。「帰ったら寝る。一日起きねぇ」と決め込んでいた彼は、これでもかと言うくらいに爆睡していた。時々発せられる寝言からは
「クソ月光・・・」「アホ月光・・・」「馬鹿月光・・・」
など、さっきまで彼をこき使っていた生徒会長の名前が出される。
朝6:00、近くの民家ではだんだんと人が活動し始める時間。絶賛安眠中の鉄大兎の携帯電話に一通の着信が入り鳴り始める。
「プルルルルル・・・・」
しかしその程度では爆睡少年の眠気は覚めない。
「プルルルルル・・・・」
なおも携帯電話は鳴り続ける。
「プルルルルル・・・・」
しかし彼は起きない。
「プルルルルル・・・・」
鉄の精神を持った今の彼にはどんな騒音も・・・・
「プルルルルル・・・・」
どんな爆音も・・・・
「プルルルルル・・・・」
「んぁああああああああああ!!!!!!!うるせぇえええええええええ!!!」
騒音でも爆音でも無く、携帯の着信音に負けた鉄は叫び声を上げて飛び起きる。
そして枕元に置いておいた携帯を取る。
「誰だよこんな朝早く・・・・・・・・・・・・・はぁ。」
そして深く絶望し、電話に出る。
「・・・・もしもし?」
彼がもっとも嫌いな人物からの電話に出たところで・・・
物語は始まる。