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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第二章:愛の輝き
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知れ渡る名前


 サンドディキシマを、成長したレイルとケーナはいとも簡単に倒した!

 2人は随分と強くなっていたのだ。





 翌日、いつものように木製の椅子に腰かけ、朝の新聞を読み始めたレイルは、はっと驚いた。何と、新聞の一面に、自分の事が書かれていたのだ。



 <冥術士の少年、砂漠の魔物を見事玉砕! デルアラスの新たなる英雄の誕生か!?>



 しかも、内容は随分と持ちあげられていた。まるで、スターの様な扱いである。それなのに、一緒に戦ったケーナの事はなぜか一切書いていない。レイルは、何となく、これがケーナの仕業なんじゃないかと思った。デルアラスの新聞社に対して、王族の発言力がかなりあると以前聞いていたからだ。



 「まいったな……」


 レイルは頭を抱える。

 そんな、彼の気持ちを知ってか知らずか、ファリーダは楽しそうに出来たての胡桃パンを机に置いた。


 「大丈夫じゃない? あんたの絵とか写真とかが載ってるわけでもないし」


 「でも、特徴が結構書かれてるし、いつもの恰好してると気付かれちゃうかもしれないよ」


 「あはは! いいじゃない、いいじゃない! 人気者になるなんて羨ましい事じゃないか! 私もなってみたいもんだねぇ、デルアラスの英雄さんに」


 

 そう言って、ファリーダが剣を振る様なポーズをとった。あまりに適当な、ぎこち無い動きだったので、レイルはコーヒーを吹き出しそうになった。


 

 「ちょっと……食べてる最中に笑わそうとしないでよ!」


 「ごめんごめん。そんなにウケるとは思わなかったからさ。それで、今日はまた試練を受けに行くんだよね?」


 「そうだよ。そろそろ、最期の試練になるみたいなんだ。」


 「そうかい! あと少しなんだね!」


 「ケーナやファリーダのおかげだよ。今までありがとう」


 「そんな事言いなさんな。英雄になったことだし、いっそ試練が終わって一人前の冥術士になった後も、デルアラスに残っちゃえば?」


 「それは……」



 正直なところ、レイルにとって、この砂漠の国は随分と馴染んでいた。試練が終われば本国に帰る事になるが、やはり名残惜しい気持ちはある。しかし、今その選択をする時では無かった。そしてファリーダも、それは内心わかっていた。



 「まあ、まずは試練をこなすことだね! それから、よーく考えてみなよ。私はとりあえずここに残るの大歓迎だからね!」


 「うん! そろそろ、ケーナが来る頃かな?」



 10分ほどして、レイルの相棒はいつものように姿を現した。

 そして2人は馬に乗り、通い慣れた神殿へ向かうのだった。












 



 

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