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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第二章:愛の輝き
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早速の接触


 砂漠の害虫<サンドディキシマ>を倒しに向かった、レイルとケーナ。




 デルアラスから離れ、雨天の砂漠を行くこと十数分。

 レイル達は、束になっているデルアラスの兵士たちを見つけた。ケーナは馬を彼らの元に近づけるとそこで降りる。地面に着地すると、ズサッと水を含んだ砂の音がした。



 「ケーナ様!」


 「お役目御苦労さま。どう、サンドディキシマは見つかった?」


 「今、おびき寄せているところです。ケーナ様……なぜこんなところに? 危険ですからお下がりください」


 「危険なのはあなた達も同じでしょ。私達は助っ人に来たのよ」


 「何と。でもケーナ様を戦いに巻き込んでもしもの事があったら……」


 「大丈夫! 私はそう簡単に死ぬほどヤワじゃないよ! それに、ここに大冥術使い様がいるんだから」


 「へ……?」



 ケーナは、自慢げにレイルを兵士の目の前に突き出した。

 少年は、とっさのことにどうしたらいいか分からず、あたふたした。



 「君が……大冥術使い?」兵士は目を丸くする。


 「ええと……それはおおげさですけど……ある程度は、冥術が使えます」


 「ふむ、無理はしなくていいんだよ? サンドディキシマはすごく強いんだから」

 

 「そうなんですか……」



 レイルが弱気でいると、ケーナが脇腹を肘で叩いた。

 急所に当たったのか、レイルは思わずイテテと言う言葉を漏らしてしまった。



 「もー、なんでそんな自信ないのよ!? これまで、大変な試練を乗り越えてきたじゃない! レイルの冥術は十分頼りになるよ!」


 「そうかな…………!!?」



 ゴゴゴゴゴ!



 強烈な地響きが辺りに巻き起こった。

 レイル達は、思わず体勢を崩す。



 「ケーナ様! 来ました! サンドディキシマです!」


 「さっそくのお出ましね!」


 「お下がりください」


 「だから、私達も戦うって言ってるでしょ? 戦闘経験は多い方が後々のためになるんだから!」



 兵士は、やれやれとケーナを止める事を諦めた。もっとも、逃げようとしても逆に危険だったかもしれないが。体勢を持ち直すと、兵士もケーナ達も手に持つ武器を強く握った。



 ザバァ!



 巻き起こる砂煙りと共に、何かが地中から飛び出した。

 じょじょに見えてきたその姿は、ムカデの様な胴長多足の体と、アリの様な頭部、尻尾を持つ巨大な昆虫の様な生き物だった。この生き物こそが、見紛う事も無い、サンドディキシマだ。



 サンドディキシマはシーシーと不快な音を立てて、ケーナ達を睨みつける。

 恐ろしい形相だ。レイルは、見ているだけでちょっと怖くなったが、巨大な蛇やクモのモンスターに既に出くわしていたため、そこまではたじろぐことはなかった。



 「さあ、気を引き締めていくわよ! レイル!」


 「うん! じゃあ、まずは動きを止めよう!…………抗うものよ、凍てつけ! <ラムサライズ>!」」



 レイルの唱えたのは周囲を凍らせる冥術だ。晴天なら暑さでイマイチだっただろうが、雨天の今なら効果は高い。濡れたサンドディキシマの体を容赦なく氷漬けにする。だが、流石は巨大モンスター。少し動きが鈍ったものの、動きを止めるまでには至らない。このレイルの行動に挑発されて攻撃態勢に出る!



 「まずい、怒らせた! 来るぞ!」兵士が慌てた声で言う。


 「大丈夫よ」


 「大丈夫じゃないですってば! ケーナ様!」



 サンドデキシマの頭が後方に反りかえると、まるでハンマーのように砂の地面に叩きつけられた。

 物凄い威力だ。避けなければ即死もあるだろう。ただ、スキの多い攻撃だったので、兵士もケーナもレイルも何とかかわす事が出来た。



 「つっ! 何か弱点とか無いの?」レイルがケーナに聞く。


 「氷の冥術には弱いはずなんだけどね……もうすこし威力の高いものは撃てないの?」


 「うーん、使った事は無いけど……試しにやってみるよ! その代わりちょっと詠唱時間があるから、それまで陽動していてくれないかな?」


 「わかったよ! 頼むね、レイル!」



 レイルは、目の前で手をクロスさせた。

 彼の周囲を強い光が包み込む。



 サンドディキシマはそれに気付いて、彼の方に首を振って攻撃を仕掛けようとしたが、兵士が弱い炎の冥術をその頭に当てたので、そちらに意識が傾いた。砂漠の魔物は、知力はそんなに高くないのである。



 ケーナ達がおびき寄せている間に、レイルを包む光はどんどん青みを増していった。

 そして、遂に発動する!





 












 

 




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