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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
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悪乗り


 霊がとりついて女になったレイルと、ケーナは、王家の脱出に向う。

 レイルの様子が、何だかおかしい。


 

 階段は、ピラミッドの一階のとある部屋に通じていた。罠だらけの行きとは違い、いとも簡単であった。



 「もー、最初から知ってればここを使ったのに。ノエリーの情報もまだまだだなぁ」


 「そんなことないよ、ケーナ。ネレストさんの話だと、あの階段は下ると罠が作動して多分死んじゃうだろうってさぁ」


 「ふーん、そうなんだ」



 暫く歩くと、出口の光が2人を覆った。

 無事、地上に出る事が出来たのだ。



 「おお、良く戻られましたな」



 門番が2人を出迎える。

 しかし、すぐにレイルの変化に気がついた。



 「あれ? 君って……女の子だったっけ?」


 「そうよぉ」レイルは艶めかしく言う。

 「ボクは女の子だよぉ。おじさん失礼だなぁ」


 「ああ、でも、確か……変だなぁ」

 

 「ウフフ、おじさんの迷ってる顔かわいいなぁ」


 「え、そ、そうかい? あはは、君ってお世辞ががじょうずだねぇ」


 「本当よぉ、だってボク……」



 何だかレイルの詰め寄り方が異常だったので、ケーナは慌てていまは「彼女」である彼の耳を引っ張り、足早にその場を後にする。階段も、物凄い勢いで下りて行った。



 「ちょっと! ネレストさん聞いてる!?」


 

 レイルにとりついた悪霊に対して、ケーナは怒った。

 しかし、レイルはただフワフワしているだけだ。


 

 「もう、とにかく、早く司祭様のところに行かないと……」



 さっさと、砂漠馬にレイルをまたがらせ、ケーナは手綱を引いて砂漠を駆ける。

 顔は、苛立っていた。



 「しっかりつかまっててよ! 何だか今のレイルは危なっかしいからね!」


 「そんなことないよぉ。もしかして、この胸が邪魔なのかな?」


 「違うよっ! ……もう、ネレストさんったらいい加減にしてほしいわ!」


 「ウフフ」



 ブルルン! 

 目を覚ませと言わんばかりに馬が唸った。

 しかし、それもレイルの状態を戻すにはいたらなかった。



 暫くして、街が見えてくる。

 ケーナは、安堵と、レイルの状態に大きなため息をついた。 













 



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