変なレイルと帰り道
見事女性になる事が出来たレイルだったが……
果たして大丈夫なのか?
ノエリーの言っていた事は本当だった。
レイルの胸は大きく膨らみ、身長も高くなり、その他の部分も変貌した。
レイルは、本当に女性になったのだ。
「信じられない、これが僕なんてぇ……」
ネレストの意識が混じり込んでいるらしく、レイルはぽーっとしていた。
何だか、得体の知れない感覚が続く。不思議と不安では無く寧ろ快感の様なものを受け続けるのも彼女の影響なのだろうか?
「レイル……」ケーナは心配でたまらなかった。
「大丈夫なんだよね? ネレストにとりこまれちゃったりしてないよね?」
「うん、だいじょうぶだよ。動ける動けるぅ」
「でも、何かさっきから様子がおかしいんだけど……いつものレイルとしゃべりかた変わってるし」
「そうだねぇ。なんだか心が軽いんだよぉ。でも、だいじょうぶだから。ネレストさんがそう言ってる。心の中で聞こえるんだぁ」
「うん……じゃあ、とにかくここから出ようよ! そのままじゃ、何か嫌な予感するし」
「そうだねぇ、早く外に出たいなぁ。……ああ、ネレストさんが近道を教えてくれるって。」
「ホント!?」
「うん、いつもの事だって……ウフフ」
レイルが遂に変な笑い声を出したので、ケーナの不安は増大した。
しかし、ここはレイルと、憑りついたネレストに任せるしかなかった。
フワフワしたレイルに案内されて、ケーナは道を歩いて行く。
手にはずっと剣を握りしめていた。
憑依中は銀の絵も平気らしく、レイルからネレストの霊が抜け出す様子は無い。
暫くすると、鳥の様な絵の描いた壁にぶつかった。
レイルは、この壁の前に立つと、手をかざす。すると、壁が土ぼこりを上げて左右に開いた。
秘密の通路だった。
長い、長い階段がそこにはあった。