とりついちゃった
悪霊(?)ネレストは、レイルにとりつく事を承諾した。
レイルは果たして女になれるのか?
「よし、それじゃあ体の力をお抜きなさい。そして、目を瞑って」
「はい」
ネレストの言葉通りに、レイルはその場にたたずんで目を閉じた。
いよいよだ。ノエリーの言った事が正しいかどうかはここでわかる。しかし、ちょっと不安だ。素性の知れない霊だし、健全性をアピールしていたが、本当に大丈夫かどうかはわからない。しかし、レイルも男の子だった。怖気づいて引き下がる事はしなかった。
「いくよ……かわいくしてあげる!」
「……」
ゾワッ!
レイルの体の中に何かが入り込んできた。体が、急に温まってくる。火照る。
むらむらとした何かに包まれる。不快では無い。寧ろ心地よい程だ。
体のいたるところがぼこぼこと動く、体が変異しているのがわかった。
思考も何だか変わっていくようだ、今まであった何かが吹っ切れるような感覚。
変わっていく。体の全てが、ネレストの霊によって変わっていった。
「レイル!」
心配するケーナの声が聞こえたが、頭の中にネレストの「まだじっとしていて」と言う言葉が聞こえてきたのでレイルは我慢を続けた。そんな中でも気分がどんどん高揚していった。そして、幾らかの時間が経った時、体の変化がすっと止まったのがレイルにはわかった。
「もう、いいわよ。レイル君」
「……はい。」
レイルは、ゆっくり目を開ける。
目の前にはケーナがいた。
「レイル! 大丈夫!?」
「……うん、だいじょうぶだよぉ。僕、どうなっちゃったのかなぁ?」
レイルは、今までとは明らかに違う、酒でも呑んだような雰囲気だった。
視線は、うっとりとして気持ち良さそうだ。
「うん、信じられない……レイル、女に、なってるよ!」
「本当なのぉ?」
「うん、自分で見てみなよ!」
「そうなんだぁ。……」
レイルは、自分の体に目を向けた。
そして、早速驚いた。