表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
70/119

とりついちゃった

 悪霊(?)ネレストは、レイルにとりつく事を承諾した。

 レイルは果たして女になれるのか?

 

 「よし、それじゃあ体の力をお抜きなさい。そして、目を瞑って」


 「はい」


 ネレストの言葉通りに、レイルはその場にたたずんで目を閉じた。

 いよいよだ。ノエリーの言った事が正しいかどうかはここでわかる。しかし、ちょっと不安だ。素性の知れない霊だし、健全性をアピールしていたが、本当に大丈夫かどうかはわからない。しかし、レイルも男の子だった。怖気づいて引き下がる事はしなかった。


 「いくよ……かわいくしてあげる!」


 「……」


 ゾワッ!

 レイルの体の中に何かが入り込んできた。体が、急に温まってくる。火照る。

 むらむらとした何かに包まれる。不快では無い。寧ろ心地よい程だ。

 体のいたるところがぼこぼこと動く、体が変異しているのがわかった。

 思考も何だか変わっていくようだ、今まであった何かが吹っ切れるような感覚。

 変わっていく。体の全てが、ネレストの霊によって変わっていった。

 

 「レイル!」


 心配するケーナの声が聞こえたが、頭の中にネレストの「まだじっとしていて」と言う言葉が聞こえてきたのでレイルは我慢を続けた。そんな中でも気分がどんどん高揚していった。そして、幾らかの時間が経った時、体の変化がすっと止まったのがレイルにはわかった。


 「もう、いいわよ。レイル君」


 「……はい。」


 レイルは、ゆっくり目を開ける。

 目の前にはケーナがいた。


 「レイル! 大丈夫!?」


 「……うん、だいじょうぶだよぉ。僕、どうなっちゃったのかなぁ?」



 レイルは、今までとは明らかに違う、酒でも呑んだような雰囲気だった。

 視線は、うっとりとして気持ち良さそうだ。


 

 「うん、信じられない……レイル、女に、なってるよ!」


 「本当なのぉ?」


 「うん、自分で見てみなよ!」


 「そうなんだぁ。……」



 レイルは、自分の体に目を向けた。

 そして、早速驚いた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ