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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
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悪霊の住まう所


 ケーナは、目的の部屋を発見した……?



 挿絵(By みてみん)



 「ここが……ノエリーさんの言っていた部屋なのかな?」



 入口より向こうに蔓延はびこるる闇。

 レイルは、それに呼ばれているような気もしたし、拒まれているような気もした。混沌とした何かがその部屋の内部を取り巻いているのが、よくわかった。


  

 「ノエリーさんは、ここの悪霊は霊感が強ければ見る事が出来るっていってたね」


 「うん。でも、本当かなぁ?」

 レイルは、ノエリーの情報を信頼はしていたが、今回の件に関してはちょっと不安だった。そもそもに、霊感と言うものが自分に備わっているのかがわかっていなかった。


 「入ってみるしかないね。一応、私はそこそこ霊感があるんだ。私の家系は基本的にみんな霊視が出来るらしいし、実際に昔見た事があるからね。幽霊を」


 「えっ! そうなの? ケーナって幽霊見たことあるんだ」


 「うん、昔お城でね。女の人の霊だったな。体は透けてたんだけど、とってもきれいな人だった。もしかすると私のご先祖サマかもね~あはは!」



 ケーナの冗談は微妙だったが、レイルの不安をやわらげる効果はあった。

 そうだ、霊なんてそんなに恐ろしいものではないんだ。少しだがそう思えてきた。



 「行こう、ケーナ。危険かもしれないけど、僕はいかなきゃならない。」



 「うん! 任せてよ! もしもの時は私がレイルを守ってあげるからね! 神聖系冥術は私もある程度使えるし」



 レイルは、ケーナに信頼の眼差しを向ける。

 彼女はウインクをすると、手に持つ剣を光らせながら、レイルより先に部屋の内部に侵入した。



 「レイル! いいよ! 来て!」



 「わかった! 今行くよ!」



 ケーナの言葉に従う。レイルは、悪霊渦巻く部屋に足を踏み入れる。

 おぞましい何かで、一瞬寒気を感じた。



 そこは確かに、王家の墓の禁じられし部屋「不昇の間」であった。













 







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