銀の部屋
謎の通路を発見したケーナ達は、それを進む。
その通路は一本道で、王家の墓内部と同じ素材の壁で覆われていた。
物音はせず、ただ、2人の土を踏む音が響いた。
「これ、どこに続いてるんだろう……」
「そうだね、どこかには出ると思うんだけど。結構意外なトコに出ちゃうかも知れないね。」
あの落とし穴は深かった。
少なくとも、地下4階よりはずっと下の階に位置するのだろう。
ノエリーの地図にも、ここは描かれていない。
そもそも、まだ濡れているので開く事が出来なかった。
とにかく2人に出来る事は前進だった。
何かの目的で作られた通路なのだろうか。
罠は見当たらない。しかし、2人は慎重さを崩さなかった。
「あっ、道が開けた!」
ケーナがそう言うと、目前の壁は切れて大きな部屋が姿を現した。
壁には、銀で描かれた豪華な古代絵が、昔の姿のまま残っている。
「もしかすると……ここって。」
レイルは手ごたえの様なものを感じた。
もしかすると、運良く目的の場所に辿り着いたのかもしれない。そう思った。
銀は、霊を退ける効果がある。
つまり、この階のどこかには、ノエリーが言う強力な霊の集まる部屋が存在する可能性があるのだ。
「ケーナ、意外と近いかもしれないよ。僕ら近道をしたのかもしれない。」
「うん!」ケーナも同感だった。
「目的の部屋を探そう! そして、上手く脱出しないとね!」