ワニの氷漬け
ワニの大軍に水中で出くわしたレイル達だったが……
しかし、レイルには冥術があった。
とっさに、彼が放ったのは氷の冥術だ。
「抗うものよ、凍てつけ! <ラムサライズ>!」
ビシイッ!
レイルの前方の水がワニ共々に凍りつく!
水面にできた氷は分厚く、同時に陸地も出来た。
「ケーナ! まずは氷の上に乗ろう!」
「よしきた!」
2人は大慌てで氷の上に泳ぎ着く。
これならば、ケーナの剣も容易く振るえるだろう。
残ったワニ達はケーナ達に近づく。
しかし、状況は2人に有利になっている。
「とにかく、このワニを一掃しないことには出口も探せないね。」
「うん、とりあえずもう一度<ラムサライズ>で凍らせてしまおう。」
ビシイッ
レイルの二度目の冥術で、ワニ達は全て凍りついた。
氷の一部を割って水の中を見てみたが、他にはもういないようだ。
ようは全滅である。ワニ達にはちょっと申し訳ないなと思ったレイルだった。
「よし、出口をさがそうよ。」
ケーナは、剣を鞘に納めて泳ぐ態勢に入る。
水中のどこかに出口があると見たのだ。
結局、その予想は、当たっていた。
潜ったケーナが再び水面に上がった時には笑顔が零れていた。
「あったよ! どっかに通じる穴みたいなのがある。ちょっと泳がなきゃいけないけど大丈夫?」
「うん、泳ぐのは割と得意なんだ。冥術もあるし、何とかなるよ」
張った氷の隙間から、2人は水に飛び込んだ。