水面でドッキリ
落とし穴に落ちた2人は更に大変な目に!?
ザブゥン!
レイルの予想通り、穴の底は水たまりだった。
正確には、地底湖と言った方が正しいだろうか。
足をバタつかせながら、レイルは試しに<デリア>を使ってみる。
光の球は再び現れた。どうやら、ここまでは冥術封印の罠の効果は無いらしい。
辺りが照らされる、光球の映し出す部分には陸となる部分は無かった。
「ケーナ、どうやら大丈夫みたいだ! 普通の水だよ!」
ザブウン!
ケーナも続いて水に入った。装備が重いせいなのか、それとも彼女が重いのか、水しぶきが一際大きかった。
「プハー! 砂漠の地下にしては水が多いなぁ。オアシスから引いてるのかな?」
「わかんない。とりあえず、どうにかして出口を見つけないと。」
「そうだね、レイル。けど、ここって何だか嫌な予感がしない? 何か、ここに落とされてそれで終わりって気がしないって言うか……」
「まさか……」
ケーナの悪い予想は当たっていた。
2人にゆらゆらと近づく何かがいる! しかも、1つでは無い。囲まれている!
「うわわっ!」
レイルが慌てる。
「これは……砂漠ワニ! こんなところにいるなんて……」
ケーナは、正体を見破った。しかし、この状態では、上手いこと剣を振るうのは難しかった。増してや数が多すぎる。
このままだと、ワニにおいしく食べられる事だろう。
2人にとって最大のピンチが訪れたように見えた。