罠罠
冥術が使えなくなったレイル。
次に待ち受けるのは?
松明を手に持つケーナを先頭にして通路を進む。
次々と曲がり路があったが、ノエリーの地図を信じてそれに従う。
しかし、それがあだになった。
松明の火が巻き起こす熱は、新たなる罠の引き金になる!
「う、わっ!?」
突然地面に穴が開いた!
2人を丸ごと吸い込む大きな穴だ。
2人は、その穴に、落ちた。
ああああああああああという声と共に落ちていく。
かなりの高さからの落下だ。
このまま落ちたら、死んでしまう!
ガキィン!
ケーナは、とっさに手に持つ剣を壁に向って思い切り突き刺しぶら下がる。
そして、レイルの手を掴んだ! 万事休すである。
「大丈夫!? レイル。」
「うん、大丈夫だよ。でも、どうしようかな?」
レイルは、恐る恐る下を向いた。
穴の底は暗くて見えない。吸い込まれるような暗黒だ。
しかし、何かの音がする。
ぽちゃん
ぽちゃん
水の音だ。水が水面に落ちる音だ。
それもかなり近い。ひょっとすると、下は水だまりになっているのかもしれない。
「こ、ここから、落ちても大丈夫かもしれないよ。下が水なら衝撃も吸収されるかも。」
レイルはケーナに言った。
「そうだね、このままぶらさがっててもどのみちダメそうだ。よし! それじゃあレイル、壁際に擦りつきながら降りて行ってよ! 」
「うん!」
レイルは、ケーナの手を離すと、側面の壁に飛び付き、無理やり手足を引っかけて落下スピードを軽減させながらズルズルと下に向う。