罠
罠を看破したつもりの2人だったが……
その通路には、一見何も罠の形跡は無かった。
2人は、ここで若干の油断をしてしまった。
古代文明が造り上げたトラップは、予想を越えたものだったのだ。
彼らがある部分を通過することで働くセンサー式のトラップが起動する!
前方の十字路にあったトラップはここに誘導させるためのダミーでもあったのだ。
「うわっ!?」
レイルが驚いて声を出す。
それもそのはずだ、急に辺りが真っ暗になったのだから。
「うそ!?」ケーナも戸惑う。
「どういうことなの? <デリア>が急に消えるなんて!」
レイルは暗闇の中、困った顔をした。
「これって、多分<封術>だよ。どうやら僕達罠にかかったみたいだね」
「しまった! 判断が甘かった。どうしよう、<デリア>はもう一度使えないの?」
「やってみるよ。……」
レイルは、<デリア>を使おうとした。
しかし、だめだった。何も起こらない。
「どうやら、冥術が使えなくなてるみたいだ。ケーナ、松明を使うしかないよ。」
「そっか。多めに冒険セット持ってきて正解だったね。」
ケーナは、松明の一本を取り出すとに火をつける。
<デリア>ほどではないが、辺りは構造が見えるほどには照らされた。
2人はまた歩み出した。
「なかなか、手ごわそうだね」レイルは、ケーナの後ろで言う。
「うん、気を引き締めないと」
しかし、そう言ったのも束の間。
2人は更なる罠の連鎖にかかる事になる。