迷宮
禁断の地へ侵入したケーナ達だが……
ゆっくり、ゆっくりと2人は足を進める。
道は入りくねっていてかなりややこしい。迷路の様だ。
あちらこちらに十字路があるため、どこにいるかも判断が難しかった。
適当に歩いていては方向感覚が狂って道に迷うことだろう。
これが、禁断の地の罠の一つとも言えそうだ。
しかし、これに対してはレイルとケーナにも対策はあった。
ノエリーが、ある程度の構造を地図にしてれたのだ。
これで、基本的に道に迷う危険は薄れた。
しかし、罠の位置までは完全に把握していないので、そちらはかなり注意しなくてはならない。
「静かだね……」
ケーナはひそひそと言う。レイルはそれに頷いた。
「モンスターは、いないのかな? とにかく、気をつけないと。」
地下5階への階段までは何とか辿り着いた。
目的地の地下8階はまだ遠い。地図で見ると、内部は更に広くなっていた。
変わらぬ巨大な迷路が続く。
足元に何かの骨が落ちていた。ここで死んだ人の物だろうか?
二つ目の十字路に差し掛かったところで、ケーナが何かに気付いた。
「うん? あそこの地面、何だか怪しいね……」
レイルも、彼女が指差したところを見る。
確かに、土に四角形の線が浮かび上がっている。
「罠かもしれないね。どうしよう?」
「うん……ノエリーの地図にも書いてないね。とりあえず、触るのは危険だしこの道は避けた方が良いかもね。」
ケーナの判断で、一旦十字路を引き返し。戻った先の最初の十字路を右手に進んだ。
しかし、この判断が2人に大きな問題を引き起こす。