内部潜入
いよいよピラミッドの中に入るケーナとレイル。
ピラミッドの通路は、この前の神殿と比べて狭かった。
しかしところどころに電燈があり、この前の様に暗闇を心配する必要は今のところない。
モンスターもいないし、内部はなかなか綺麗にしてある。
さすが人間が管理しているだけある。
色々なところに手が行き届いている。これなら安心して進む事が出来る。
通路は下に向っていた。
デルアラス王家の者が眠っているのは、砂漠の砂面を通り超えた地下だそうだ。
「ふーん、思ったより。不気味じゃ無いね!」
ケーナは、頭の後ろに手を組みながら背伸びして言った。
レイルも同感だった。しかし、もう少し進むと雰囲気も変わるかもしれない。
歩き続ける事20分弱。通路が急に広くなった。
レイルは辺りを見まわす。
石壁に、様々な絵が描かれている。
鳥の顔を持つ人間が杖を持っている姿。
猫のような生き物。
謎の植物。
巨大な目。
どうやら、いよいよ王家の墓の本体に近づいてきたようだ。
壁に掛けられた松明がゆらゆら照らす部屋を2人は進む。
鉄製の扉で閉じられた部屋が幾つも姿を現した。
きっとミイラが眠っているのだろう。或いは財宝がしまってあるのかもしれない。
しかし、これらの扉を開ける必要は全くなかった。
レイルが向かうところは、ここからまだずっと奥にあるのだ。
更に、階段を降り、部屋を進む事を数度繰り返す。
そして、遂に地下4階と思われるところまでやってきた。
目の前には立て札が置いてある。
ケーナは、それを見ると、声を出してレイルに内容を伝える。
「この先危険、関係者意外絶対に侵入するべからず。入ったところを見られた場合、犯罪とみなしデルアラス国の裁判にかけられ然るべき罰を受けてもらう。……だって。」
それを聞いて、レイルはちょっと怖くなった。