大ピラミッドの眺望
ピラミッドの入り口まで案内される2人。
ピラミッドの入り口は、大きな石造りの階段の上にあった。
監視員に従い、2人は階段を上って行く。
一段あたりが大きく、それが100段くらいあるので上るのは結構大変だった。
途中、舞い上がった砂が生暖かい風に乗って吹き付けた。
登り終えると、テントの群を見られるくらいに高いところまで来ていた。
「うわあ、良い眺め!」
ケーナは無邪気な子供っぽく喜んだ。
レイルは、もっと高い塔に登った事があるせいで、それほど何も思わなかった。
監視員は2人を見て、微笑む。
「どうだ、君達。なかなかいいものだろう」
「そうですね!」ケーナは嬉しそうに言う。
まるで、観光旅行でもしているようだ。実際、前回の試練よりは旅行っぽかった。
国が管理している施設なので、この前の廃墟の様な危険は少ないと見られたからだ。
奥まった入口には、もう一人槍を持った番兵がいた。
監視員がその男に話しかけると、番兵はするりと入口から退いた。
「しかし、君達だけで大丈夫かね? 許可は、確かに貰っているけど。」
「は、はい。何とか。」レイルは、しどろもどろに応えた。
本当は、誰か付いてきてほしいものだが、色々と問題が出てくるので、出来ないのだ。
要は、入ってはいけないところに2人は入るつもりだった。