管理局との交渉
王家の墓へ入る許可を得るために2人は管理局へ。
デルアラス総合管理局は、デルアラス中心地デアリオンにあった。
城とは高い壁一枚を隔てたところにあり、3階建ての赤レンガ造りの建物で大きな入口の扉には守衛が2人いた。
ケーナは、これを簡単に説得する事が出来た。
胸にぶら下げているペンダントを見せただけである。
「どうぞ、お通りください」
番兵の1人はそう言うと、わざわざ扉を開けてくれた。普通の人間ならばここまではしないだろう。レイルは、ケーナの身分の高さを実感させられた。
案内所で2人は行き先を尋ねる。
「王家の墓」を管轄する遺産管理課は3階にあるとのことだったので、若い2人は勢いよく階段を駆け上がった。ケーナは一段飛ばしで登って行ったので、レイルよりも先に目的の階に辿り着いた。
「遅いよ、レイル!」
「ケーナが早すぎるんだよ……つかれたぁ」
「あそこが、<遺産管理局>みたいだね! 入口の札に書いてあるよ」
ケーナが指差したところは、随分遠くの部屋だった。
視力良いなぁとレイルは思った。
早速2人はその部屋に向い、部屋の扉をノックする。
「どうぞ」と言う声が聞こえてきた。
「失礼します。」扉を開けて先に入ったのはケーナの方だった。
レイルは恐る恐る後に続く。