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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
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王家の墓

 女になるには、霊をその身に憑依する必要がある。

 ノエリーが格好の場所として挙げたのは「王家の墓」だった。 


 「あの……ノエリー、あそこは国で管理してるから入っちゃいけないんだよ!」


 王家の墓は、デルアラスの国家遺産建造物として厳重に管理されていた。もし何もせず放っておいたら、墓荒らしに何をされるか分からないからだ。実際、眠っている王族のミイラや金品を奪われる事件が過去にあった。ただ、その盗んだ人物は原因不明の怪死を遂げたと言う噂だ。しかし、そんなケーナの言葉に、ノエリーは動じる事は無かった。


 「ケーナ、合法的に入る方法は十分あるでしょ? 今までの冥術師の人だって、多分国に許可とってるはずだ。それに、あんたはあの三角形のお墓に入る様な家柄でしょ?」


 「そうだけど、言うほど簡単じゃないよ。お金の融通よりも大変かもしれない。まあ、レイルのためだし掛け合ってみるけどさ」

 

 「さっすが! レイル君、頼りになる友達見つけたね!」


 レイルは、大きく頷いた。ケーナには本当に助けてもらってばかりだ。

 何か自分に出来る事は無いかと思った。そして思いついたのがこの言葉だった。


 「ケーナ、その、許可を取るところって僕も行けるの?」


 「ん? そうだね、管理局なら私がいれば大丈夫だと思うけど……」


 「じゃあ、僕も一緒に頼みに行くよ。全部任せるなんて悪いし」


 「そっか! 確かに一緒にいた方が逆に怪しまれないかもね。じゃあ、明日管理局に行こうよ。」 


 「うん!」


 2人は難しい試練の前であるにも関わらず互いに微笑み合った。

 ノエリーはそれを見て、ちょっと羨ましいなと思った。






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