ノエリーは何でも知っている
女性になる方法を探すため、2人が訪れたのはノエリーの家だった。
「ふーん、今度もまた厄介なお題を出されたねぇ。」
ノエリーは、メガネを手でカクカクしながらふふんと鼻息を荒げた。
そして、椅子に座る2人を流し見る。ケーナは、自らアテにして来た割に自信なさげだ。
「ノエリー、どうなの? なんとかなりそう?」
「うーん、厳しいねぇ。女の子にそんな簡単になれるんなら、世の男どもはたかって女の子になっちゃうだろうし。永遠のロマンだからね~異性になるってのは。私だって、男になってみたいと思ったことあるよ。」
「ノエリーは、男になってもあんまり変わらなそうな気がするけど……」
「なにおー!? 私の乙女心を傷つけるような発言をしましたね、ケーナさん。その発言撤回しないとお姉さん怒りっちゃうぞ~」
「冗談、冗談! ごめんなさいノエリー。乙女心が残ってたのに気がつかなくって。」
「わかればよろしい! いや、わかってないでしょ!? 今、さりげなく失礼な発言重ねたよね?」
ケーナは、目を反らした。
ノエリーの目は、そんな彼女からレイルの方に向いた。
「ご、ごめんなさいっ!」
レイルは、とりあえず代わりに謝った。
それを見ると、ノエリーも表情を緩めるしかなかった。
「君、正直ものだね~安心してよ、今の本気じゃ無いし。(ちょっと真に受けた事は言うまい)」
「そーそ。」ケーナも付け加える。
「ノエリーとは、いつもこんなんだから。気にしなくていんだよ。」
レイルは、ほっと胸を撫で下ろした。
体に悪い冗談だとちょっと思った。
「それで、ノエリー。」ケーナは話を戻す。
「女性になる方法は、あるの?」
ノエリーは頷いた。
「あるよ。このノエリーはなーんでも知ってるんだから!」