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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
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ケーナの謎


 神殿を後にして、デルアラスへ帰る2人。



 神殿の埃臭い闇から抜け出した2人は、馬に乗り元来た道を引き返す。

 太陽は、まだ沈まず強い光で照らしてきた。しかし、行きの様な不安な気持ちが無い帰り路は楽なものだった。馬が砂を踏みつける音を聞きながら、ケーナはのんびりと手綱をゆらゆらと揺らす。



 「いや、大成功だったね!」


 「そうだね。」レイルは頷いた。

 「でも、ケーナがいなかったら今頃は食べられてたかも。」


 「いやいや。」ケーナは右手を振る。

 「ボル爺の人形の効果が出るのが遅かっただけだよ、多分。私もびっくりしたけどね。」


 「そうかな……本当にそうだったのかな? だって、ケーナ。レインザードの言いたい事がわかってたみたいに見えたんだけど。」


 「え? ああ、そういえば何となく。でも、心当たりは無いなぁ。あんな白蛇と会ったのは初めてだし。」


 「ふぅん……」


 

 レイルは、何だか腑に落ちないところがあったが、それ以上追及する気は無かった。

 何にしろ、生きて目的を果たして帰れたのだ。今はそれで十分だった。

 だから、次に口にした言葉はお礼の言葉だった。


 

 「ケーナ、本当にありがとう。また、頼っちゃったね。」



 「そんなことないよ! レイルの冥術すごかったじゃない。今日は、ホントに見直したよ。」



 褒め返されて、いつもの如くレイルの顔は赤くなった。

 馬は、それを冷やかすかのようにブルルンと鼻息を荒くする。



 デルアラスの壁が2人に再びその姿を現したのは、太陽が陰りを見せた時だった。

 



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