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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
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運命の咆哮


 少年と少女は互いの名を知る。

 運命の歯車は回りはじめる。



 馬に乗る前に、少女は少年に名を尋ねる。

 少年は、顔を赤らめて照れくさそうに答えた。

 

 「僕は、レイルって言います。 生まれは遠く西のバリアルハンです。」


 「へぇ、随分と遠くの人なんだね。 私は、ケーナって言うんだ!」


 「ケーナさんですか……よろしくお願いします。」


 ケーナは、少年レイルのあまりにくそまじめな態度に思わず笑ってしまった。

 かわいい奴だなと思った。だからちょいとからかいたくなる。  


 「別に、そんな丁寧に言わなくてもいいし。軽ーくケーナって呼びなさいな。レ・イ・ル君!」


 「は、はい!」


 「ほら、試しに呼んでみなさいって。」


 「え? ええと、け、ケーナさ……」


 「さんはいらないの。はいもう一度!」


 その時、ブルル―ンと馬が鳴いた。

 そして蹄を乱雑に動かすと、ケーナはレイルをおちょくるのをやめた。


 「ああ、ごめんごめん! あんたの紹介がまだだったね!」


 「その馬は……サンドラブ?」

  

 「へーっ、知ってるんだ! この馬は背中に水を貯められるから、こうやって砂漠を長々走っても大丈夫なんだよね。 んで、この子の名前はガファルって言うんだ。おとなしくて優しい子なんだけど、ちょっとさびしがり屋なんだよ。だから今みたいに無視されると怒るわけ。」


 ケーナがそう言って脇腹を撫でると、ガファルはその通りですよと言うようにブルルンと鳴いた。

 馬に殆ど乗った事のないレイルは、このサンドラブに乗せてもらえる事に対し胸が高鳴った。 


 「これに乗せてもらえるんですか。それにしても大きいなぁ。」 


 「そうでしょ? そうでしょ? そこいらの国の小さな馬よりずっと頼りになるんだから! ささ、私が前に乗るから、レイルは後ろに……そのへんに乗って。」


 「う、うん。」


 レイルは恐る恐る、馬に乗りにかかる。

 想像以上に高く感じたが、いざ乗ってみると安定感があり気が落ち着いた。

 ケーナはレイルが乗るのを見届けると颯爽と足場を駆けのぼり、彼の前に飛び乗った。


 「よし、じゃあ出発しようか! オアシス入り損ねたけど。」


 「は、はい!」 


 少年レイルとケーナはオアシスで運命の出会いをした。

 後々に巻き起こる、悲しい運命への旅が馬の嘶きと共に、今始まった。 

 

 

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