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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
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闇を照らす光


 神殿の内部は闇に包まれていた。



 ファブラリタイの中は漆黒の闇だ。

 燈す光も無く奥は吸い込むような暗黒に包まれている。

 

 ケーナは、持ってきた松明を取り出したが、レイルが火をつけるのを止めた。



 「えっ? こんな真っ暗闇を進もうって言うの。」


 「ううん」レイルは首を振った。

 「僕の<デリア>で何とかするよ。」


 「あ、使えるんだ!」ケーナは手をパチンと合わせた。



 <デリア>は冥術の1つで、当たりを照らす光の球を作りだす。

 見習い冥術師でもほとんどが使える初歩的な冥術だ。

 レイルは手を前に差し出すと、ふっと目を閉じて念じた。


 「辺りを照らす光の球よ、我に付き添え……<デリア(照光)>!」


 ぼわっ。

 神殿の中は一気に光を浴びて明るくなった。


 「へー」ケーナが、物珍しそうに発生した光球を見る。

 「やるじゃん! さすがレイルだよ。」


 「いや、そんな、褒めるものでもないよ……」

 しかし、言葉に反してレイルは嬉しそうな顔をしていた。


 光球は術者の側に勝手についてくる、非常に便利なものだ。

 2人は両手を楽にしたまま、神殿を奥に進んだ。


 暫く直線状の通路を進むと階段があり、それを降りるとまた通路が伸びていた。

 通路の両橋には部屋の様なものが続く。冥術師がここで暮らしていたのだろうか?

 2人は、それらの部屋を覗きながらゆっくり歩いた。


 「ここも違うね……」


 「うん。」


 どの部屋も、空っぽだった。

 家財等はみんな持っていかれてしまったのだろうか?

 残っていたのは、何かの骨ばかりだった。


 「さすがにこんなところにはいないかな……あっ!」


 「どうしたの?」


 ケーナは何かに気付いた。

 目の前、通路の奥に何かがいる! 




 














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