いざファブラリタイへ
ボル爺の人形が完成した。
ついに白蛇の神殿へ向かうレイルとケーナ。
2日後、約束通りボル爺は<ダミードール>を完成させた。
「これさえあれば、レインザードなど恐るるに足らんぞ。」
「ありがとうございます。ボルお爺さん。」
「何々、金をもらえば約束は守るぞい。」
レイルが渡された自分の手首くらいある人形は、可愛らしいのか気味が悪いのか微妙なところの顔立ちをしていた。手に当たる部分には変な文字が書いてある。
「よし!」ケーナは、レイルの方を叩いた。
「それじゃあ、早速神殿に行こうよ!」
2人は馬に乗りデルアラスの門を出ると、馬で西に駆けた。
走り続けて1時間弱が過ぎたころファブラリタイ神殿がその姿を現す。
「随分と荒れてるね。」
「うん」
馬を下りると2人は神殿の入り口に近づいた。
普段は人の寄りつかないその石造りの建物は、ひびが目立ち、周りの柱は殆どが倒壊していた。しかし、かつて冥術師達が住んでいただけあって、神聖な雰囲気は漂っていた。壁に描かれた獅子の絵は、こちらを強く見据えてくる。
「この中に、レインザードがいるのね! レイル、慎重に行くわよ。」
「そうだね、中がどうなってるか分からないし。」
神殿の中の暗闇に、2人は足を踏み入れた。