変なじいさん
レイルは、ガドスの情報でボル爺さんの元へ行く事に。
レイル達がガドスと一緒に向かったのは、この界隈では珍しいおんぼろの木で出来た建物だった。入口の扉付近には蜘蛛の巣が張っており、変な顔の書いてある瓶が横向きに転がっていた。
ガドスはドンドンドンと物凄い勢いで戸を叩く。
ファリーダの言うように、これでは扉が壊れてしまうとレイルは思ったが、まさか本当に扉が壊れるとは思っていなかった。
バギャア!
腐りかけた木製の扉には、男の拳一個分の穴が開いた。
そしてその穴から、目ん玉がこちらを覗き込んでいた。そして、バタンと扉が開く。
「きっさまー、遂にやりおったわ! この、ドアホウが! ドアなだけに、ドアホウじゃ!」
中から出て来たのは、みずぼらしいぼろ服を着た頭の眩しい老人だった。
間違いなく、ボル老人である。
「すまねえなーボル爺よ。まさか穴があくとは、このドア弁償してやろうか?」
「はぁ? ベンゾーって誰ぞな?」
「弁償! ドアをつけかえてやろうかってことだよ!」
「フム、モマを追っかけて来るのかいな。アレは美味しいからのお。」
ガドスは、うなだれてため息をついた。
ボル老人は想像以上に耳が遠かった。
「まあ、何か用なら中には入れや。」
ボル老人は、3人を部屋に案内する。
そこは、ガドスの家よりもはるかに汚くて、臭かった。