変なおじさん
ケーナ達は、ファリーダのところに戻る。
すると……
ファリーダの家に戻り、ケーナが扉を開けると「ガハハ」と言う声が聞こえた。
聞き覚えのある声だ。
「よお、3日ぶりだな!」
「ガドスさん!」レイルは目を丸くする。
「どうしてここに?」
ガドスは、手に持った布袋をシャカシャカと振った。
中に入ってる物は想像できた。
「ちゃーんと、採ってきてやったぜ。これが<百年草>だ。」
そう言うと、レイルに向けて投げて来たので慌ててキャッチした。
独特の匂いが袋から漂う。
「早かったですね!」
「あたぼうよ! 慣れたもんだからな~あそこに行くのは。一応住所も聞いてたから採ってきたついでに持って来てやったんだよ。そこのねーちゃんには随分怪しまれたけどなぁ。」
そう言うと、ガドルはファリーダの方を見た。
彼女はふんと息を荒げた。
「まったく、びっくりしたわよ! この変なおじさんったら、あんまりにも強く戸を叩くんだもん。変な人じゃないか不安になったんだから。」
「ハハハ、すまねぇ! つい、強く叩いちまうんだよ。近所のボル爺さんが耳が遠いからいつもドンドン叩きまくってるんでね。」
「はあ……」
「そんで、レイルにケーナよぉ。その百年草は、レインザードに使うんだよなあ?」
ケーナは頷く。
「そうだよ。あれ、この前言ったっけ?」
「今までにもいたからさ。冥術師の依頼人がな。だから、言っておくが、そのまま草をばら撒いてもレインザードは引き付けられんぞ。」
「じゃあ、どうするのよ?」
「それはだな……加工してもらうんだ。さっき言ったボル爺さんにな!」