砂漠の夕日
一仕事終わり、商業地で一服するケーナとレイル。
「本当に大丈夫なの? あんなこと言って。」
商業地区で、美味しいジュースを飲みながらレイルが心配する
しかし、ケーナは全然平気そうな顔だった。
「大丈夫だって! 私もそれなりの家の人間だからさ。それくらいなんとこしてみせるよ。」
「でも、やっぱり悪いよ……僕、何にもお礼なんて出来そうにないし……」
「いいんだよ、乗りかかった船だしね。それに、レイル一人じゃこの試練何とか出来そうにないもん。せっかく友達になれたのに死んじゃったりしたら嫌だしさ。」
「だけど。」
「素直に、ご厚意に甘んじなさいな。明日、あのガドスのおっちゃんが驚く顔を2人で見ようよ!」
「ケーナ……わっつ!?」
急にケーナが寄りかかってきたので、レイルは赤くなった。首元に、彼女の綺麗な髪が触れる。脈拍は上昇しバクバク音を立てた。しかし、その音はケーナには聞こえていないのか、体を離す様子は無くニコニコと笑っていた。
「楽しみだね、これから。」
「う、うん……」
レイルは、照れ隠しのように遠くの空を見る。
夕暮れの商業地は暖かい橙色の光で照らされていた。
今日は忙しく歩きまわって過ごした。新しい出会いがった。
そんな一日も、もうすぐ夜を迎えようとしていた。