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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
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小汚い部屋で


 ガドスの家の中はとっても酒臭くて散らかっていた。

 レイルは、<竜巻地帯>の事を聞くが……



 ガドスの家の中は散らかっていた。

 あちらこちらに新聞紙や怪しげな本がが点在しており、酒の入っているのかいないのか分からない瓶が

卓上に並んでいた。食べかけの皿も現れずにそのままになっている。ノエリーが気まずそうに言ったのも無理は無いくらいに、がさつな雰囲気が部屋全体を漂っていた。 


 ガドスは、ケーナとレイルに部屋の奥にあった謎の食べ物を渡してきた。

 干からびた何かの肉らしきものだったが、何だかこの環境で渡されると不安を感じさせる。


 「うめぇぞ、食え。」


 「は、はい……」


 レイルは、恐る恐る肉をひとちぎりすると震える手で口に運ぶ。

 死にやしないかと不安になったが、断る事も出来なかった。


 がじっ


 肉を、歯で挟む。

 舌の奥に染みわたるものは、想像を絶するものだった。レイルは思わず顔の筋肉がゆるむ。

 ケーナも思わず、おいしい! と口に出した。


 「どうだ、美味いだろう? ぺサート牛のジャーキーは絶品だぜ。」


 ケーナもレイルも大きくうなずく。


 「酒のつまみには最高なんだよな。肉汁と胡椒の絶妙なコンビネーションがたまらねえのよ。デルアラスでもそう出回っていない貴重なモンさ。」


 「ありがとうございます。そんなものをわざわざ僕達にくれるなんて。」


 男は、ガハハと笑った。

 「おお、礼は良いぞ少年! 俺も金に関しては困ってないからな。お前らみたいに<竜巻地帯>に用があるやつも多いから、結構良い金になるんだ。」


 「えっ?」


 「なーに、金さえ払ってくれりゃあ俺がそのオアシスだって行ってくるさ。あそこもよく、冥術師の輩が頼みに来たし採ってくるものも分かる。例の草だろ? 人と似たエネルギーを持ってるって言う……」


 「はい! それで……いくら払えば採ってきて貰えるんでしょうか?」


 男はタバコを一本口にくわえてライターで火を付けた。

 そしてふーっと白煙をレイル達に吹きかけたので、少年少女は咳き込んだ。


 「まあ、相場で150000ってとこだな。」 




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