続々・白蛇の弱点
人間の生命の力と類似する力を持つものについて考古学者ノエリーは話す。
「要は、人間を作ればいいってわけ!」
「ええっ!?」ケーナは困惑の表情を浮かべる。
「そんなこと、出来るとは思えないけど。」
「できるわよ。」ノエリーの言い方は自慢げだ。
「偽物の人間ならね。人間の生命力と近似したエネルギーを持つ物体を作ればレインザードはそれを食べて満足するはぅよ。」
「それは一体、似てる物って何よ?」
「あるんだなー、人間そっくりなエネルギーを持つ植物が。<百年草>って言うんだけど、砂漠のとあるオアシスに生えてるんだって。」
「へぇ! それじゃあ、そのオアシスに行けばいいんだね? よかった、安全な方法があって。」
「どうかなぁ……そう簡単に行くかなぁ?」
「え?」
「そのオアシスって、<竜巻地帯>の中にあるんだよね。ケーナも知ってるでしょ? あそこが危険なとこだって。」
ケーナは頷いた。
<竜巻地帯>はこの砂漠では魔の領域で、今まで多くの命が奪われてきた。年中不安定な気候が続き、巨大な竜巻が非常によく巻き起こる。デルアラスの人々の多くが「行くな、行く位ならあきらめろ」と言う場所だった。
「あんなところに……弱ったね。」
「正直、あきらめたらどう? そこの少年もさっきからずっとオドオドしてるし、ケーナには死んでほしくないしさ。」
「そうはいかないよ! レイルだって……そうでしょ?」
レイルは、オドオドしながらも頷いた。
それを見ると、ノエリーはふふんと鼻を鳴らした。
「そっか……じゃあ、やってみなよ。その代わり、準備は周到にね!」
「わかってる。」ケーナは胸をポンと叩いた。
「あ、そうだ。あそこに行くんなら、あの人のところに尋ねてみると良いかもね~」
「あの人って?」
「ああ、ちょいと酒臭くて変なおっさんだけど悪い人じゃないよ。名前は……」