表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
2/119

近づく影

 オアシスでひと休みする少年のところにやってきた者は……?

 

 大きな湖の周囲は、この砂漠では珍しく植物が茂っている。

 生えている大きなカヌキの木陰に、身に着けていた物を全て脱ぎ置きパンツ一丁の身軽になった少年は、そこにある美しい青の水面にザブンと飛びこんだ。


 この焼かれるような砂漠において、この小湖の水は冷たさを保っていた。

 少年の体の熱を緩やかに奪い、至福の時を与えた。


 「ぷはー、幸せだぁ。夢見たいだぁ。」


 声に出すほど少年は浮かれていた。去年の冬にコーサカルの温泉に入った時よりも、ずっとずっと気持ち良い。ずっとここにいたら最高だなぁと思ったが、そうもいかないのが残念だった。暫くしたら、また歩き出さねばならない。水から出した顔からふぅとため息が漏れる。


 ふと、木々の向こうの砂漠を見ると何やら動く者が見えた。

 馬か何かに人が乗っている。しかも、こちらに向ってくるようだ。


 少年は、慌てて岸に泳ぎ、着くとサッと服を着て向かってくる者を木陰から待ちかまえる。こんなところで、人に会うのは幸か不幸か。危険な者でないことを少年は願った。

 

 フードを被ったその人らしきものは、オアシスつくと馬から降りる。

 そして、水面に近づくと着ていたそのフード付きのコートをバッと脱ぎ去った。


 少年は眼が良かった。遠目だったが、その身なりをよく見る事が出来た。

 それだけに、見えるものがあまりにも刺激的すぎた。



 「わわわわわわわわわ!」

   

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ