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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
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白蛇の伝説

 ケーナとレイルは白蛇に纏わる情報を集め始めた。


 神殿を出ると、ケーナはレイルをある場所に連れて行った。

 考古学者のノエリーという女性の家だった。



 金髪ポニーテールで銀縁メガネをかけたその顔に、絹織の白いローブが良く似合う。

 ファリーダも美人だったがノエリーもまた聡明な美しさがあった。



 「なるほど、あの白蛇の生み出す珠<蛇真珠>を取ってくるんだ。そりゃあ大変だねぇ。しかも、殺しちゃだめってか。この子一人じゃ出来そうにないわ。」



 「そうでしょ? だから、この辺の事に関して詳しいノエリーなら良い事教えてくれると思ったんだよ。」



 「まあ、それは賢明だと思うよ。あの蛇の事も研究してるしねぇ……ま、300年くらい生きてるんだから正確には蛇じゃないんだけどさ。」


 

 「せっかくだから詳しく教えてよ、ノエリー」



 「いいよ。」



 そう言うと、ノエリーは腕組みをしてケーナ達に背を向けた。

 そしてこの地域に伝わる伝説を語り出す。




 かつて、このデルアラスに大いなる災いが起こった。

 水源である、オアシスの水がほとんど枯れてしまったのだ。


 人々は飢えと砂漠の暑さに耐えられず、次々と死んでいった。

 このままでは、砂漠の民は全滅してしまう。

 

 当時の冥司祭オルドレアは、王の命を受けファブラリタイ神殿で降雨の儀式を行った。

 その時に現れたのが今いる白蛇だと言う。


 蛇は、オルドレアを丸飲みにした。

 しかし、その後に見返りとして砂漠の地下に水を溢れさせ国は救われた。


 現在のデルアラスの繁栄も、この白蛇によってもたらされていると言う。

 凶暴で人を食うこの蛇を殺さないのはそのためである。


 神の使いである白蛇を殺せば、水はたちどころに失せ、デルアラスは滅亡するだろう。

 もっとも、この大蛇を倒せるものは無きに等しいが。

   







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