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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第一章:砂漠の少女
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試練のはじまり


 冥司祭エドガルドがレイルに与える最初の試練とは?



 それから、暫くしてケーナとレイルは神殿に向った。

 砂漠の朝は意外と涼しいが、太陽の熱は容赦なく馬に乗った2人に降り注いだ。

 立ち並ぶ建物は白く輝いて眩しいけれど美しくもあった。



 神殿に着くと、その外の様子とは裏腹に朝っぱらから中部は薄暗かった。

 英雄の2体の像は、今日も凛々しく立って何も語らない。




 「おお、遅かったな! もうちいと早う来いな。砂漠の民は10分前行動が肝じゃからな。」



 「すいません……」



 朝から元気な冥司祭エドガルドは、本気でレイルを叱ったわけでは無かったが彼は真に受けた。

 ケーナはそれを見て、まあまあと場をなだめる。



 「今日は、私がもたもたしちゃったから遅くなっちゃったんですよ。悪いのはレイルじゃありません。」



 「ふむふむ、そうか……ケーナも時間には気をつけるんじゃぞ。ワシなんぞはそう怒らんが、ファアール王とかドルマン兵士長はそういうのにとんと厳しいからな。早めの行動が肝じゃ。」



 「はい、冥司祭様々。肝に銘じておきます。」



 「わかったらよい。……では、レイルよ、早速だが最初の試練をお前に伝えよう。心して聞けよ?」



 レイルは、緊張した面持ちではいと答えた。

 それを見て、エドガルドは口に皺を寄せつつ広げる。笑っているようにも見えた。



 「よし、では言おう。最初だからまあ、比較的簡単なものじゃ。……このデルアラスから西に進むとファブラリタイと呼ばれる遺跡がある。そこには長い長い地下道があるんじゃが、その最深部には巨大な白蛇が住んでおって、年に数度真珠の様な美しい球を生む。レイルよ、ひとつで良いからその球を取ってくるのじゃ!」



 ケーナとレイルはそれを聞いて驚いた顔を見せた。

 2人にとってそれは簡単なものには思えなかったのだ。




 




 


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