表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
エピローグ
118/119

因縁(完結)

2人の別れから時は流れ……

 それから幾らかの月日が流れた。

 ガレストリア帝国は、近隣のサルツ国を滅ぼし、遂に世界に対して宣戦布告を発する。デルアラスではこの日、王宮で対策会議が開かれる事になった。



 「皆の者良く聞け……ガレストリア帝国が遂に動き出した」



 国王、ブルム=ディルアールは。その貫禄ある顔と声で円卓に座る諸侯たちに語りかける。



 「数年前の虐殺事件は覚えているだろう。あれほどの非道な行いをする者があの国には存在する……奴らは危険だ。このデルアラスの民の力をもって必ずや阻止すべきである」



 オーと言う声が湧き起こる。

 皆、帝国を恐れ警戒する気持ちは同じだった。しかし、熱くなる彼等と対照的に固い表情を崩さない人間がいた。それはケーナだった。彼女は昨年に亡くなった父に代わり、若くして将軍の地位に就く事になった。



 「おや……お主は、何か思うところがあるようだな」


 「はい」



 ケーナは立ちあがった。

 そして、皆を強い眼差しで見まわす。


 

 「お言葉ですが……帝国に我々だけの力だけで立ち向かうのは危険でしょう。諸国と同盟を結び、結託して戦うべきと私は考えます」


 「ほう……」国王は白く長い顎髭をさわった。

 「ケーナ。確かに君は、あの虐殺で生き残った者……帝国の恐ろしさは一番分かっているのは間違いないだろう。だとすれば、発言を軽視することは出来ないが、あてはあるのかね?」


 「私が、同盟の使者を担いましょう。デルアラスの将軍が直接謁見を求めるのであれば、良識ある国家ならば軽視はしないはずです」


 「なるほど、それは名案と言える。よし、資金は出すゆえ必ず成功させて来てくれ」


 「かしこまりました」



 ケーナは、一礼すると。再び席に腰を下ろした。

 そして、また強い眼差しで会議の内容を聞き始める。




 挿絵(By みてみん)




 レイル…………あなたは、私がこの手で必ず殺す。

 それが、死んだ者たちへの罪の償いなんだ!



 成長した少女の胸には、そんな強い決意が沸々と湧きあがっていた。 

 


 












 これで、前編は終了です。

 ここまで、読んでいただき誠にありがとうございました! 


 よろしければ感想など頂けるととっても嬉しいです~




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ