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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
最終章:別離
117/119

少女は砂に塗れて

 

 レイルの闇の冥術がケーナに直撃する……

 果たして、少女の運命は!?



 「さようなら、ケーナ……」



 レイルはそう言って、闇の瘴気に包まれたケーナの方を眺める。

 この一撃をもろに喰らって、生きている可能性は皆無だった。皆無な筈だった。



 「申し訳ないけど君たちには…………なに!?」



 闇が、徐々に引いた先にあった光景に、冷徹なレイルの表情も少し動揺の色を見せた。

 ケーナが剣を構えて立っていたのだ。



 挿絵(By みてみん)



 「馬鹿な……あの冥術の直撃で倒れなかっただと?」



 レイルは、ケーナの方をじっと見て何が理由なのかを考える。

 そして、1つの理由が頭に浮かんだ。



 「そうか……気がつかなかったよ、ケーナ。君の持っているその剣は<スパイラルバード>だったんだね」



 そう、少女に語りかけたが、彼女は言葉を返さない。

 意識を失っていたのだ。そして全ての力を使い果たしたかのように、ケーナは立つ力を失い、その場に倒れてしまった。



 「君が伝説の剣の保有者だったとは……」



 レイルが、彼女に近づこうとした時、遠くから沢山の馬が走る音が聞こえてきた。



 「ちっ……邪魔者がやってきたか」


 

 裏切りの少年は、なぜかケーナの持つ剣を奪い命を奪う事を止め、倒れた彼女に背を向ける。



挿絵(By みてみん)



 「そういえば、忘れていたよ……君に誕生日のプレゼントをあげるつもりだったんだ」



 レイルは、顔だけを倒れた少女に向けた。

 命の火は、消えてはいなかった。



 「ケーナ、君へのプレゼントは……君の命だよ。君の命を1つ分君にあげよう。それが、僕の最後のお礼さ!」



 レイルは、そう言うと、街の陰へ走りだし何処かへと姿を消した。

 そして、そこに生きたまま残されたのは、砂塵すなぼこりに埋もれたケーナのみであった。 




 これが少年と少女の別れ、そして悲しい因縁の始まりであった。 



 


 本編はこれで終了です。

 残りはエピローグとなります。 

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