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砂塵りのケーナ  作者: 束間由一
第二章:愛の輝き
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最後の賭け


 ガロウドは凄まじい再生能力を持つほぼ不死身の肉体を持っている。

 おまけに冥術まで使うため、成すすべもなく、防戦一方のレイル達だったが……



 「え……どういうことですか?」



 レイルが尋ねると、ファムナは目を瞑った。



 「簡単のことよ。その落ちている実……<歩みの種>をガロウドの体に投げつけるだけ」


 「そんな……効果があるんですか?」


 「分からないわ。でも、特攻するよりは十分に意味があると思うわ。とにかく、迷ってる時間は無いから、やってみましょう!」



 3人は、落ちている実を掴むと、じわじわ向かって来るガロウドに向けて投げつける。

 レイルは下手くそで全く当たらないが、ケーナとファムナは数投げているうちの幾らかは命中させることができた。



 「レイル、冥術で時間を稼いで! 君は投げるよりその方がいいよ!」ケーナが、言う。 


 「そうだね……」レイルは自分の不器用さにすこし落ち込んだが、言われたとおりにする。

 「動きを止めるだけなら……抗うものよ、凍てつけ! <氷結縛衝(ラムサライズ)>!」



 ガロウドの足元が凍結する。

 効果は無いが、確かにガロウドの動きは止まった。その隙に、ケーナとファムナはひたすら<歩みの種>を投げ続けた。



 「グォォォォォ」



 すると、暫くして、ガロウドが咆哮をあげる。

 そして、その体がジュゥゥと音を立てて溶け、地面にただれ落ちはじめた。



 「これは……」


 「ケーナ、やはり不死身とはいえ<歩みの種>の力は止められなかったようね」


 「一体、この実にはどんな効果があるんですか!?」


 「話は後。奴にトドメを刺してからよ……今のアイツは再生ができない。あなたのその剣で何とかなるかもしれないわ」


 「わかったよ!」

 


 ガロウドは、自らの体を支えることで精一杯になっていた。

 次第に骨だけになっていくその体で、向かって来るケーナに冥術の炎を放つが、彼女の俊敏な動きはそれを軽々とかわす。



 「過去の野望よ……去れぇぇぇぇぇぇ!」



 ケーナの剣技が十字バツ字に炸裂し、切れれた部分から光が溢れる。

 神聖な力を持った攻撃だった。



 ガロウドは、光に包まれ、そして灰になり洞窟の空気に(かえ)ってゆく。








 



 

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