少年は砂漠を行く
大きな皮帽子をかぶったその少年は一人巻き起こる砂嵐の中を歩いていた。
ただ真っ直ぐ、目的の地へと向かう。少しでも方向を歪めれば、そこには死が待っている。
広大なクァマトラ砂漠は、人の命をこれまでにも数多く飲み込んできた。
昼の暑さは著しく水分を奪い、夜の寒さは体を凍えさせ永遠の眠りを誘う。
住まう魔物達は凶暴で人の肉を好む者もいる。
少年が一人で入るには、ここはあまりにも危険な場所だった。
誰が見ても無謀他ならなかった。手持ちは、沢山の水筒と中くらいのずたリュックだけである。
汗がポタポタとこぼれ落ちる。
眩暈がする、熱気で目の前が揺らめく。
あとどれくらいで到着するのだろう?
想像以上の距離だ。このままでは、干からびてミイラにでもなってしまいそうだ。
ここで野たれ死ぬなんてたまったもんじゃない。蜂に刺されて死ぬくらい嫌だ。
少年は、沸騰しそうな脳で思い考える。想像でもしていないとこの延々とループしているような光景に気をくるわせられかねなかった。
見える物は、
砂
砂
砂
砂
砂
オアシス
オアシス?
少年は目を輝かせ、そしてそれをこすった。幻ではない。
退いた砂嵐から現れたのは、美しい大きな泉であった。
近づいても、蜃気楼のように消える事は無い。
少年は嬉しさ余って叫んだ。
「やったぜ! 本物のオアシスだ!」