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快眠  作者: 長門 有希
3/4

(三節)

テーマ:小説






土方慧和(ヒジカタ トシオ)は落ち着かない様子で部下に問い質していた。




「環の姿が見えないが、どうした?」




昼前だと言うのに環の姿だけが見えないのに苛立ちを覚えたのか、




近くに居た女子社員に尋ねたのであった。




「あっ、部長!環さんなら先程電話がありまして、




娘さんの事で急用出来たとかで,直帰すると申してました。」




女子社員は陽気に言い、




言い終わると何も無かった様に机の書類へと手を延ばした。




娘さんって美里ちゃんの事か、確かまだ七歳だった気がする。




でも、その美里ちゃんに何かあったのだろうか!?




心配になった土方は環の携帯に電話した。




すると、受話器から聞こえてきたのは留守番ガイダンスは疎か、




呼出し音すら鳴らずに機械的電子音で




『こちらは-御掛けになった電話番号は、




電波の届かない処にいらっしゃるか、




電源が入っていないため繋がりません。』




と言い続けていた。




土方はガイダンスを聞いて暫く硬直していたが、




先程の女子社員が湯飲みを片手に




もう片方の自由の手で土方の肩を叩き




「あの…どうかしましたか?」




と問うと土方は女子社員の呼び掛けでようやく我に返り、




「いや、環の事でちょっとな!」




と俯きながら返し、女子社員は不思議そうに見つめていたが、




それ以上返答などせずに自分の席に着いた。








家に着いた私は先ず、背負って居た美里を子供部屋のベットに寝かせ、




私は書斎に入った。




部屋に入った私は今日やる事が出来なかった仕事を




自宅のパソコンを使って作業することにした。




その間、美里は安眠を続けていたのだが、




作業に没頭して一時間弱が経った辺りで




訪問者を知らせる呼び鈴が鳴った。




私はそろそろ休憩でも挟もうかと想っていた処だったので、




そんなに不快には想わなかった。




私は椅子から腰を上げ玄関に行き、覗き穴を見て、




相手を認知した上で、訪問者を招き入れた。




「電話したんだが、繋がらなくてな!




心配になってつい来てしまったが、迷惑じゃ無かったか?」




唐突に聞いてきた。




「別に構わないさ」




私は気さくに応えた。




「そうか、なら良いんだが」




「ところで仕事の話しになるが、




今やっている調査表だが、怪しい人物が浮上している。」




「そうか、ならもっと徹底的に調べ上げてくれ無いか環警視」




馴れ々しく言い、言われた環は不快を感じてなさそうだ。




「それにしても何しに来たんだ土方?様子を見に来た訳じゃ無いだろう。」




「いやぁ…実は今やっている事件調査と別に




また頼みたいことがあるんだが…。」




「なんだ?物に依っては断るかも知れないが…」




こんな会話を交わしていると、美里が起きて来た。




「パパァ~お腹すいた。」




そう言いながら美里は駆け寄ってきた。




「あ、おじちゃん今晩わ」




可愛いげに言って「はい、今晩わ!ノンちゃんは最近どう?元気にしてる」




土方は微笑だに問うと「ウン」と美里は意気軒昂を溢ればかりに応えた。




土方は「そろそろ帰る」と言い、




私も美里も空腹感に襲われる時間帯だったので、




私は美里を着替えさせてから




土方を夕食に誘い最寄の難波駅へと向かった。











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