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9. 神様からのメッセージ

 ネットでもさほど友達の居ない俺に、直メッセージを送ってくる物好きは珍しい。

 『EGO』の方では、誰も俺のプライベートなアドレスは知らないはずだし……。


 さてはフィッシング詐欺系かと見てみると……


[在りて在る者:警告する。水生那美に近づくな。]


「在りて在る者……って誰だ?」


 どっかで聞いたことあるけど、何だっけか?


「それに、名字読めねえ~ミズキかな? 名前はナミって読むんだよな? ネットにそんな娘いたっけかな?」


 と、急に名前の読み方が、天から降りてくるように閃いた。


「みなおなみ、だ。おー、上から読んでも下から読んでもみなおなみ」


 なんか聞いたことある。

 そんな気がするけど、どこで聞いたかのか、会ったのか、はっきりしないでモヤモヤが残る。


 水生那美、みなおなみ、ミナオナミ……。


「なんだっけか、クソ、思い出せない……」


 いろいろと、妙に引っ掛かる。


 で、まず[在りて在る者]を検索でググってみたら、ユダヤ・キリスト教の神様じゃないの。


「俺様神様からダイレクト・メッセージ・ゲットだぜ~!」


 ってアホか。こいつロクなもんじゃないね。


 無視無視……と積極的に無視しようにも、水生那美さえ知らないんだから、(はな)からその土俵にも立ててない。まあ、いいや。


 水生那美はTReEのつながりにも見つからないし、ググっても日本の女神の伊邪那美(イザナミ)さまがヒットしただけ。


 これって神様つながり?


 だがまあ、このメール自体は何か間違えて送ってきたんだろう。ここは大人の対応で、

[送り先、間違えてますよ]と返しておく。


 あ、しまった。

 送ったあと気がついた。

 こういうのに返信したらアウトなんだっけ?


 まあいいや、クレジットカードだってないんだし。

 取られるもんは一切何も無い俺様最強!


 さてと、思い出した!


 今日はあの事故現場まで行ってみよう、だった。


 botはこのまま走らせておいてもいいだろう。

 どうせすぐに戻ってくるんだし。


 外出用に服を着替え、出かける前に節電でモニターの電源だけでも消しとこうと、スイッチに手を伸ばす。


「ひいいっ!」


 思わぬ奇声は例によって、俺のこっ恥ずかしい悲鳴だった。


 伸ばした指先が、マジでぷるぷる震えてる。


 その人差し指の先には、なんてこった!

 あの不気味人形がちょこんと座っていたのだ。


「棄てたよな、俺、ちゃんと棄てた」


 コンビニの袋に入れて、上からゴミ入れて、そんでもって口結んでぜってー棄てた。

 ゴミ箱は空になってた。


 ってことは、母さんが袋開けて汚らしい汚物ほじくってその中から人形だけ取り出して、またしてもそっとデスクに置いたってか?


「イヤイヤイヤイヤ、それは無い。それってあり得ないっしょ!」


 だって、さっきモニターのスイッチ入れたとき、気がつかないなんて無いよな!


 ってことは、この人形は無かったことにしよう――は、もう出来そうにない。


「とにかく棄てよう。外で棄てよう」


 ついでに事故現場を見に行こう!


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