表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/244

12. 匣と鍵

「時間がない?」


「うん、私が無くなるのが先か、七大悪魔を追い出すのが先か」

「そうか……けっこう切羽詰まってるんだな」


「それと、もう一つ方法があるんだけど……」

「悪魔を追い出す方法?」


「ううん、これは悪魔を完全に支配する方法」


 それは追い出すよりより有効だ。

 祓われた悪魔は、また戻ってくることも考え、その後も守る備えを怠れない。


 だが支配してしまえば、害どころか有益に使え、シンのように強力な戦力となるだろう。

 いや、ふつうのシン以上なのは確実だ。


「それができるなら、その方がいい。どうやるんだ?」

「超すごい(はこ)があるの」

「お、応……」


 超すごい匣って……アヤ、語彙。

 でもまあ、オカルト知識豊富だけど、実は現役女子高生だからな。


「その匣に、ぜんぶの悪魔を封じ込める力があるの…ね」


 封印の匣とか云わないんだ。


「ふむ、それは確かに凄いな。その匣さえあれば、君は悪魔から解放され、逆に支配する立場に立てるってことだよな」

「うん」


 アヤはしっかりと頷いた。


「分かった、それを探し出せばいいわけだ」

「え? そうなる……カナ? 私もどこにあるか……た、たしかに、詳しくは……分からないから……」


 そこで何で照れるんだアヤ。


「それだけじゃなくて……」


「分かった、鍵だろ? その匣は宝箱みたいなもんだな」

「すごい、よく分かったね」


 すごくない。ただのゲーム脳だ。

 むしろアホだろう。正解で良かったが。


「その鍵も手に入れればいいわけだな、そいつも俺に任せてくれ」


 悪くない、新たなる冒険が始まる予感がしやがる。

 美少女を七大悪魔から救うための苦難の数々。ワクワクが止まらないってやつか。

 いや、そんな甘いもんじゃないって分かってるからこそ、今はワクワクさせてくれ。


「え? いいの? でも、吾朗さんになら……任せても…いいかな……」

 そしてなぜまた照れる?


 赤くなって、モジモジし始めるアヤ。

 それはそれでグッとくるわけなんだが、なんか誤解してないか?


 いや、むしろ俺に誤解があるのか?

 聞きそびれている情報がないだろうか。

 だがまあ、細かいことは後でいい。実は大きな問題はその先にある。


「ところで……七大悪魔を支配できれば、アヤはそれで助かるとは思うけど、その後俺たちと君らが敵対すると、悪魔族圧勝にならないか?」


「そう、七大悪魔の支配者には絶対の力がもたらされるわ。その匣と鍵の持ち主には吾朗さんがなればいい」


「マジでか? それでいいのか?」

「構わないよ。そして悪魔族と国津神族は同盟するの」


「おい、いきなりかよ。そこで同盟までくるのか?!」

「ダメ?」

「いや………」


 長年悪魔族は、天津神国津神の日本の神族同盟と争ってきた。ときには天使族も味方に引き入れ、悪魔族と戦うこともあった。


 逆に俺たちが天使に利用されただけかも知れないが……まあ、そこは置いとこう。

 それでも強大な悪魔族にじわじわと押され続け、今では天使族との共闘なしでは、国津も天津も存亡の危機に瀕するほどだ。


 反攻作戦には天使族に加えて、ほかの神族の協力なしではとてもじゃないが太刀打ちできない。

 それだけ悪魔族は絶対的脅威であり、そして長年の宿敵なのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ