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6. 悪魔たちの動き

「いったい何事が出来(しゅったい)したのでござります?」


 土蜘蛛が尋ねるのに、俺は経緯を説明した。


「それにしても、見せられた映像が思い出せないのが気になるんだ」

「忘れるくらいなら、たいしたものじゃないのですん」


「いや、なんかかなり重要な情報だった気がする」

「そこまで気にかかるならば、追いかけるがよいわ。その悪魔に尋ねれば済むことじゃ」


 悪魔さーん、さっき俺に何見せてくれたんですか―って?

 さすがにそれはナイ。


 たぶんセオ姫は、あの悪魔を打ち負かして聞き出すことを前提としているんだろうが、そんな暇はない。レギオンだって二十六体もいるんだぞ。


「かような悪魔、近頃幾度(いくたび)か見かけまする」

 土蜘蛛が神妙な面持ちで、会話に入ってくる。


「赤い目の悪魔なのか?」

(いな)、姿形から察するに、吾が見たのは別の悪魔でござりましょう。悪霊どもを引き連れた悪魔が、同じ方角を目指して往きもうした」


「キナ臭いな。近々なにか起こすつもりか?」

「ふん、悪魔ばらが何しょうずとも、捻り潰すまでじゃ。そうであろう土の長よ」

「応とも、我らが力合わせれば、悪魔何するものぞ。のう水の姫よ」

「違いなし、違いなしよのぅ」


 お前たちさっきまでいがみ合っていなかったか?

 共通の敵が現れれば、団結するのは人も超常の者も同じのようだが、切り替わり早過ぎだろ。


 そりゃあ悪いことではない。

 悪いことではないのだけれど、この後の悪魔絡みの会合案件を思うと、ちょっとばかり頭の痛いところでもある。


 だがしかし、ここは流れに任せよう。


 そうだ、これまでだって、上手くやってきた。

 なんとかなるに違いない。


「さぁて、山童のお蔭で悪魔との直接対決は避けられた。斥候を出していなければ、逆に俺は強行突破で急いで、ここを抜けようとしたはずだ」


 そうすれば奴らと鉢合わせして、戦闘になっていた可能性はかなり高い。


「タイムロスは最小限で済んだと考えよう」


 実際、残りの行程は走り抜けた。

 さほど距離もなかったので、何事もなく廃墟を抜けることができた。

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