表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は徹底して悪女を演じる~おーほっほっ!は卒業したい!~  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/50

悪役令嬢は意味深な視線に戸惑う

 こうして私を浮き彫りにした銅レリーフは、カルヴィンに渡ったのだけど……。

 何気に恥ずかしいわよね。

 だって受け取ってもらうための口実とはいえ、「カルヴィン様に肌身離さずお持ちいただければ、本望ですわ」なんて言ってしまったのだ。これって推しに自分の写真を渡し、毎日持ち歩いてくださいと願っているようなもので……。


 でもまあ、あれはあのフェルッティの“作品”なのだ。芸術品! 描かれているのが私であることには目をつむってもらい、宝石と同価値の作品として、大切にしてもらえればいいだろう。


 そんな一幕もありましたが。


 カルヴィンも興奮が収まったようだ。いつもの端正な顔になると、私に声をかけた。


「では出発しようか。帰りも送るから、我が家の馬車に乗るのでいいかな?」


「はい! お願いします」


 四人乗りの馬車に、カルヴィンと向き合う形で乗り込むと、私の隣には従者、カルヴィンの隣にも従者が座る。なんだか不思議な感じだった。騎士見習いの姿をしているので、今日の私のお供は従者だ。結果、男性四人で馬車に乗り込んでいるように見えるけれど……。私はこんな姿でも女子なのだ。


「エリノア公爵令嬢……ではなく、エリック。いくつか騎士見習い、騎士の待機の姿勢や返事の仕方など、レクチャーしようか」


 カルヴィンの言葉に「お願いします!」と返事をすると、早速「そこは、『イエス・サー』で」と指摘される。「! イエス・サー」と返事をして、その後は宮殿に着くまで、いろいろ教えてもらった。


 馬車から降りてからは、歩く時の姿勢、背筋をピンと伸ばす、胸をはるとか、仕草や動作にも指示が入る。なんだか本格的だが、私の後ろに続く従者は「お嬢様、本当に騎士見習いのように見えます」と言ってもらえたので、これはもうカルヴィンに大感謝だ。


 通常はエスコートされる宮殿の廊下を、ツカツカとカルヴィンと並んで進むのは、不思議な感じ。


 しかも警備の兵士やすれ違う騎士は敬礼してくれる! さらに貴族の令嬢から……意味深な視線も向けられた。これにはもうどう反応していいのか分からず、挙動不審になると、隣でカルヴィンがクスクス笑う。


 こうして王妃とカーミランのお茶会が行われるテラスに到着した。


 テラスだと開放的であり、王妃を護衛する近衛騎士、通常の警備の兵士もいるので、私とカルヴィンがいても目立たない。


 まあ、私のこの姿をカーミランが見破ることはないだろう。


 ということで、二人が到着する前にテラスに着くと、シャンと背筋を伸ばす。


 方々から視線を感じるが、それはカルヴィンに向けられていると理解する。何せ彼は、王立ブルー騎士団の上級指揮官の隊服を着ているのだ。それは一目瞭然。なぜ王妃のお茶会の警備をしているのかと、事情を知らない者は思うだろう。


「!」


 カーミランがやってきた。

 少しやつれたような?

 妃教育が相当答えているのね。

 でもまあ、昔の私も苦労したから、それは分かる。

 分かるけど……。

 私の名誉を汚そうとしたことを思うと、もう同情する気持ちにはなれない。

 そう思ったけれど。

 なんだかね。

 可哀そうに思ってしまうのは、私、お人好しなのだろうなー。


 再びカーミランに目を戻す。パステルピンクに白のレースたっぷりのドレスを着たカーミランは、やつれたとはいえ、やはり可愛らしい。あんなに大きなリボンを髪に飾って似合うのは、ヒロイン特権だと思う。


 じっと観察しすぎたか。


 カーミランと目が合ってしまった!


 思わず心臓がドクンと反応する。


 だがカーミランの視線は、すぐに私の隣にいるカルヴィンに向けられた。やはり彼の端正な顔は、目をひく。でも舞踏会での一件……軽食で一度とった料理を戻そうとして一悶着があった時、カルヴィンがいたことを思い出したようだ。カーミランの表情が強張る。


「まあ、カーミラン男爵令嬢、よくいらしてくださいました」


 王妃がやってきた。

 シャンパンゴールドの輝かしいドレスを着ている。

 迫力とその存在感と言い、なんだか女神のように見えてしまう。


 チラッと私とカルヴィンに視線を向けた王妃の口元が、フッと微笑んでいる。扇子でカーミランに、口元が見えないようにしているが、声を出さずに唇を動かしているその様子を見ると……。


「似合っているわよ」


 どうやら私の男装を、褒めてくれたようだ。

お読みいただき、ありがとうございます!

続きは明日、13時までに『悪役令嬢は誤解を招く』を公開します。

ご無理なく、ご都合のあうタイミングでご覧くださいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●9/2発売●
バナークリックORタップで書報ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●本編完結●
バナークリックORタップで目次ページ
やらかしてしまったモブ令嬢です
『やらかしてしまったモブ令嬢です 』

●新連載●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに
『悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイト●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!②
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!② 』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

●[四半期]推理(文芸)2位●
バナークリックORタップで目次ページ
悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~
『悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~』

●現実世界の恋愛物語●
バナークリックORタップで目次ページ
せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~
『せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~ 』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ